アニメ音楽年代記

サントラ盤を中心としたアニメ音楽の昔話

1000年女王(劇場版)

1.『1000年女王』オリジナルサウンドトラック

 劇場版の『1000年女王』は、TVと同じキャスティングと舞台設定を使いながら、独特の雰囲気を持っていた作品でした。TVでは1年間使って表現したラーメタル接近という事件を、僅か2時間の中に盛り込むわけですから、物語の描写は最初からラーメタル関連に絞られ、TVの最初の半年を費やして描かれていた1000年盗賊の件はみごとにカットされていますね。
 TVでは確かラーメタルは地球まで来ていなかったと思いますが、劇場版では地球に接近したラーメタルとの戦いに物語を絞ってしまい、そのためにラーメタルの神秘性が作品全体を覆うことになり、1000年女王の存在そのものと合わせて非常にファンタジックな作品に仕上がっています。

 この映画を語る上でけっして無視できないのは、喜多郎の音楽でしょう。
 当時はシンセサイザーというと、YMOに代表されるテクノポップが主流で、他に富田勲氏あたりがクラシック音楽を素材にアルバムを出しているというところが一般には馴染みのあったぐらいだったと思います。
 そういう時にNHK特集の『シルクロード』の音楽で脚光を浴びたのが喜多郎でした。シンセサイザーというと、そのエレクトリックな人工音を前面に打ち出した音楽が常識ともいえる風潮だった時代に、自然に溶け込むような独特の音色を奏でて、聴くものに新鮮な驚きを与えてくれたのが喜多郎の音楽だったのです。

 劇場版『1000年女王』の音楽担当が喜多郎ということで、アニメファン以外の一般的な音楽ファンの間でも話題になっていたようです。しかし、ダビングレベルの問題からか、実際に劇場に流れた音はけっこう音割れしていて、喜多郎の繊細な詩情のある音楽を楽しむには難しそうでした。
 現在発売されているLDも、昨今の高品質なテレシネが行われているものではないので、音の方は映画で聴くよりも酷いぐらいのような気がします。やはりサントラ盤*1で聴くのが一番でしょうけど、残念なことにCDが出てないのですね。*2(一部の曲は喜多郎の他のアルバムにも収録されていたはずなので、そちらでCDになっているかもしれませんが……)*3

  A  プロローグ
   1.スペース・クイーン
   2.星雲
   3.光の園
   4.まぼろし

  B1.コズミックラブ(宇宙の愛)
   2.自由への架橋
   3.プロメシュームの想い
   4.未来への讃歌~エピローグ

 A1は映画冒頭のタイトルに使われている、いわばこの作品のメインテーマというべき音楽です。主題歌の「星空のエンジェル・クイーン」と同じメロディーを使っていますしね。1000年女王という神秘的な存在の中に遥か太古から未来永劫へと続く永遠の時の広がりを感じさせてくれる曲です。
 映画では冒頭のラーメタルの後に入り、その後に東京の雪野弥生のマンションのシーンが入るため、シーンのつながりなど何も無い、独立した使われ方がされているのが曲の広がりを殺してしまっているような感じがして、少し残念ですね。
 中盤、夜森が始をかばって被弾し、ラーメタルの司令船に特攻していくシーンに使われていたのも印象的です。

 A2は確か、大気の橋が架かってラーメタルから移民船団が発進するシーンに使われていたような気がします。開けてきた未来の希望に向かって静かに飛び立とうという感じがする音楽ですね。けっして曲そのものは明るくはないのですが、希望を持ってに羽ばたこうという雰囲気がする曲です。

 A3は終盤、ラーレラの宮殿船の中で、瀕死のドクターファラが弥生を守ろうとラーレラを必死で抑え、最期を遂げる辺りに使われていた音楽だったと思います。非常に緊迫感を出しながら、それでいてラーメタル人の悲劇の深い悲しみをも巧妙に感じさせてくれます。

 A4はラーメタル人の目覚めのシーンに使われていた曲です。1000年に1度の目覚めの時を希望と歓喜にあふれて迎える、そういうラーメタル人の心境を描いた名曲です。この作品の音楽はどうも1000年女王側よりもラーメタル側を主体に作られているような感じが強いのですが、この曲なんかはそのもっともたるものでしょうね。
 この映画、音楽に重点を置いて見てみるとラーメタル人に感情移入してしまいますよ。きっと……

 B1は具体的な使用箇所を思い出せませんが、タイトルがすべてを語っているように、明朗で希望にあふれる曲ですね。
 このサントラ盤、曲の区切りが無いので、ふと気付くと次の曲に入ってしまっているということが多いのですが、この曲なんかはその顕著な例です。富田勲氏の『ノストラダムスの大予言』もそうだけど、シンセ音楽のアルバムにはこういう片面まるまる連続しているものが多いのですが、映画のサントラ盤ぐらいは区切りを付けて欲しいです。

 B2は1000年女王の方舟が発進するシーンに使われた音楽だったと思いますが、非常に緊迫感を感じさせながらも雄大で力強く飛び立つ印象を感じさせる曲です。見事にダイナミックなスペクタクルを感じさせてくれました。その他にも甦った歴代1000年女王たちがラーレラの宮殿船を攻撃するシーンにも使われていました。
 いわば太古から受け継がれてきた歴代1000年女王の地球への愛情を表わした曲と言えるでしょう。本サントラ盤中の最重要曲でしょうね。

 B3は再びメインテーマですが、やや繊細なマイナー調の感じの曲で、ラーメタル人でありながら祖国に敵対し、自分の愛する地球人のために戦う1000年女王の悲しみを表わした音楽ですね。セレンと夜森の死に、歴代女王の復活をミライに要請するシーンや、ラスト付近で使われていました。

 B4はラーメタルから宮殿船が発進するシーンに使われていた曲ですね。種族の未来のために引き返すことの出来ない地球への旅に力強く旅立っていく彼らの決意や希望、そして悲しみなどのすべてを包み込んだ音楽です。

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2.交響組曲『1000年女王』

 主題歌を除けば、全曲シンセサイザーというアニメ史上でも画期的な劇伴音楽*4となった『1000年女王』ですが、単にシンセだけのBGMなら昨今のアニメでは珍しくもありませんね。でも、安価なシンセがありふれ、シンセ奏者が珍しくもない現在、音楽製作にかかる人件費節約のためだけのようなシンセ音楽とは違い、当時はむしろシンセにしたほうが色々と費用が嵩んだのではないかと思います。
 喜多郎という、当時きってのシンセ奏者を起用したのは、話題作りという面もあるでしょうけど、彼自身が音楽に寄せている自然への愛情と造詣の深さというものが、『1000年女王』という作品をうまく引き立ててくれるのではという期待が大いにあったのではないかと思います。
 いま劇場版『1000年女王』といえば真っ先に喜多郎の音楽を思い浮かべくらい切っても切り離せないものですから、この起用は大正解だったのでしょう。

 でも、それまでのアニメアルバムがシンフォニーを売り物にしていたことに比べて、全曲シンセサイザーというサントラ盤はメーカーにとっては不安だったのか、すかさずシンフォニーバージョンのアルバムも出てきました。*5

  A1.QUEEN MILLENNIA 永遠の光
   2.COSMIC LOVE
   3.まぼろし
   4.自由への架橋(FREEDOM)

  B1.星空のエンジェル・クイーン
   2.未来への讃歌
   3.ANGEL QUEEN

 A1はこのアルバムのオリジナル曲。B1がデラ・セダカの主題歌で、B3はそのシングル盤B面に収録されていたシンフォニック・アレンジ曲。
 演奏はロスアンジェルス・シンフォニック・オーケストラ。デラ・セダカ歌う主題歌のレコーディングのついでにレコーディングしてきたという匂いがするのですが、どうなんでしょう。

 アニメの音楽はたいていは国内のオーケストラですけど、ごく偶に海外に行ってレコーディングしてくるのがありますが、個人的には好きではないですね。演奏の雰囲気が国内のオーケストラと違う感じがありますから。*6
 このロスアンジェルス・シンフォニック・オーケストラにしろ、昨年『交響詩セーラームーンR』のシティ・オブ・ロンドンシンフォニアにしろ、聴いてみたところでは管楽器、それもトランペットやホルンのような派手な楽器ではなく、フルートやクラリネットの音が目立つような……録音場所の問題もあるのでしょうけど。*7
 まあ、オールマイティな日本のオーケストラと違って向こうはレパートリーがある程度決まっているから、楽団によって演奏できる曲の傾向が決まっているのかも知れませんし……向こうでは映画音楽をアレンジしたシンフォニーはムード音楽的に演奏するのがスタンダードなのかもしれませんね。

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3.「星空のエンジェルクイーン」について(2019年補足)

 この作品のサントラは『松本零士音楽大全』に収録されたのが唯一の国内でのCD化で、今に至るも単品では発売されていません。(『交響組曲』は言うまでもなし)
 主題歌「星空のエンジェルクイーン」はその『松本零士音楽大全』にも「権利上の都合」ということで収録されませんでした。おそらく当時はポニーキャニオンとデラ・セダカの契約が切れていたからだと思われます。(『松本零士音楽大全』はコロムビアファミリークラブからのセット販売ですが、『1000年女王』のディスクはポニーキャニオンの発売という形になっています)

 コロムビアからカバー曲が出ていたTVシリーズの主題歌と違い、この曲に関してはその当時カバー曲が出てたわけでもないので、オリジナルが復刻できなけりゃCDで聴けないわけですね。そんなわけで、『松本零士音楽大全』に入らなかったことで一時は絶望的な状況でした。

 似たようなものは(アニメじゃないけど)『ゴジラ(1984)』の主題歌「ゴジラ (愛のテーマ)」。オランダのザ・スター・シスターズという女性グループが歌っていたのですが、90年代半ばに東芝EMI(ユーメックス)から『ゴジラ大全集』というサントラ盤シリーズが発売された時には、日本での契約が切れていたということで収録されませんでした(映画公開当時のオリジナルのシングル盤はワーナー・パイオニアの発売だったかな)。で、代わりに(公開当時のサントラ盤発売元の)キングレコードの出してたカバー曲が収録されていました。
 こちらは2000年代になって東宝ミュージックが出した『ゴジラサウンドトラック・パーフェクト・コレクション』のシリーズで何とか収録してくれましたが。

 さて、「星空のエンジェルクイーン」の方ですが、その1,2年後に何故かいきなりヒーリングミュージック系のアルバム*8に収録されて発売されたのでびっくりしました。喜多郎とか宗次郎*9とか、当時のそういう癒し系の音楽を集めたオムニバス盤なのですが、基本的にインスト曲メインのアルバムでいきなりボーカル曲というのはアルバムコンセプト的にどうなのかって感じがしないではないのですが、まあ喜多郎にかこつけて「星空のエンジェルクイーン」を紛れ込ませたというのが本当のところなのでしょう。
 なにはともあれ、これでようやく「星空のエンジェルクイーン」がCDで聴けるようになりました。とはいえ、アニメ関係とは全く無縁のレーベルから出てる商品なので、当時はもうGoogleAmazonもあったとは言え「ググレカス」なんて言葉はまだ一般化してない頃だから、何も知らないところから見付け出すのは困難だったかもしれません。

 もっとも、現在はデラ・セダカ自身のアルバム*10がCD化されていて「星空のエンジェルクイーン」もそこに収録されているので、音源としてはより入手しやすくなってると思います。

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あとがき(2019年版)

 シンセ音楽なんて冷たくて無機質なもの。そういうイメージを持っていた時に耳に入ってきた喜多郎の音楽は衝撃的でした。下手な生楽器の演奏以上に暖かく心地良い音楽。それまで偏見をもっていたシンセサイザーに対する感覚を改めるようになってしまいました。
 シンセと言えばテクノポップというイメージの時代に、むしろ逆に自然に溶け込んでいくかのような喜多郎サウンドは斬新でした。
 でも、アニメ音楽でシンセを前面に押し出した作品は続きませんでしたね。確かにシンセサイザーという楽器はどんどん生楽器に置き換わっていくのですが、そこで奏でられる音はPM音源とかFM音源の尖った電子音ではなく、より生楽器の音の再現を目指したPCM音源に変わっていきました。もはやシンセだからといって独自の音楽ジャンルを奏でる時代ではなくなったのです。
 とはいえ、PCM音源が一般化するのは90年代になってからなので、しばらくはFM音源の時代が続くのですが、喜多郎のような独自のサウンド世界を持つアーチストは現れませんでした。

 とは言え、初期の久石譲氏とか川井憲次氏とか、シンセ音楽を抜きに語れないサウンドを紡ぐ作曲家も多くいますので、バッサリという断絶があるわけではありませんが……

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 95.03.04)

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TVシリーズ同様、サントラ盤のCDが出てないのはいかんともしがたいのですが、とりあえず聴けるものを探してみました。

「コズミックラブ」のみ収録なら
ザ・ベスト・オブ・テン・イヤーズ



「コズミックラブ」の演奏を含むライブ盤
亜細亜/シルクロードの旅



サントラの海外盤CD。 非正規品というわけじゃなく、海外での販売権を持ってたメーカーが独自にCD化したみたいですが、アナログ盤から音源を取ってるのか音質はよくないらしいです。 相当なレア物なので値段は……。あくまで、こういうものもあるという参考に。
Millenia




ついでに主題歌の収録CD。こちらの入手は容易でしょう。

「星空のエンジェルクイーン」を含むデラ・セダカのアルバム(現行商品)
ガール・フレンド/I’M YOUR GIRL FRIEND



「星空のエンジェルクイーン」が最初にCD化されたアルバム。
OASIS(2)~Quality&Relaxing~

*1:東映映画「1000年女王」オリジナルサウンドトラック』(C28G0124 82.02.-- ¥2,800)

*2:昔、海外盤で『Millenia』というタイトルで出てたみたいで、Amazonのマーケットプライスとかヤフオクとかに出てくることがありますが、あまりにレア過ぎるので相場は覚悟の程を。というか、直接海外のAmazonとかから中古品を入手したほうが安く済みます(物があればだけど)。あくまで喜多郎のアルバムという体裁の『1000年女王』とは無関係のジャケットですね。
国内盤としては後に『松本零士音楽大全』に全曲収録されていますが、それっきりです。

*3:喜多郎 ザ・ベスト・オブ・テン・イヤーズ』(COCB-53373 05.07.27 ¥3,800)
喜多郎の自薦ベスト。リミックス版の「コズミックラブ」を収録。
喜多郎 亜細亜シルクロードの旅』(SDCS-1004 98.11.18 ¥2,400)
1984年にアジアツアーを行った時のライブ盤ですが、「コズミックラブ」が1曲だけ収録されています。

*4:いうまでもありませんが、あくまで電子音楽の媒体としてのシンセサイザーの話です。

*5:『交響組曲「1000年女王」』(C28R0091 82.03.-- ¥2,800)

*6:現在では『鋼の錬金術師』とか『リトルウィッチアカデミア』等の大島ミチル氏が多くの作品で海外オーケストラを多用していますが、この人くらいになるとそれぞれのオケの音とかわかった上で、自分で注文付けたりして作り上げていくので問題ないのですが、80年代当時だと演奏は向こうの指揮者にお任せ状態だったのかと思います。

*7:一般的な傾向で言えば、日本のオーケストラは弦楽器が厚いのだけど、欧米のオーケストラの多くは管楽器が厚いような感じは大きいです。

*8:Oasis Quality & Relaxing』(SDHL-1018 02.06.28 ¥2,667)

*9:オカリナ奏者。この人もNHK特集の『大黄河』のテーマ音楽で脚光を浴びた人ですね。

*10:『ガール・フレンド/デラ・セダカ』(PCCY-50085 17.12.20 ¥2,315)

さよなら銀河鉄道999 ~アンドロメダ終着駅~

1.交響詩 さよなら銀河鉄道999

 劇場版第1作目の音楽はTV版のファンタジックなイメージにつながるような青木望氏のサウンドで、『銀河鉄道999』という青春の讃歌を見事に聴かせてくれた音楽でした。当然、続編も青木氏の音楽を期待していたのですが、実際の音楽担当は東海林修*1でした。
 『銀河鉄道999』という作品自体、前作で完結しきっているところがあるので、どのように続編を作るのか不安だったのですが、要するに新しく謎をでっちあげて無理矢理に再び鉄郎とメーテルを旅させたわけですね。こういうパターンだといくらでも続編が作れそうな気がしますけど、もはや第1作とは別の作品になってしまいます。そう考えると音楽が変わったのも当然かもしれません。
 実際の『さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅~』という作品は、原作からTV版、劇場版第1作と持ち続けてきたファンタジックな雰囲気を全く払拭した異色の作品になっていました。どちらかというと『999』の世界の作品というよりは、翌年の『わが青春のアルカディア』に繋がるような、『キャプテンハーロック』の周辺の作品と言う感じがありますね。

 この作品のサントラ盤*2は2枚組。『交響詩』と名付けられたタイトルよりも、LPの帯に記載された「=完全収録盤=映画オリジナル・サウンドトラック」という方が似合っている、当時としては珍しいほぼ全曲収録のサントラ盤でした。*3
 劇中のハーモニカやオルゴールの音がオーケストラの楽器で演奏されているとか、ラーメタルでのパルチザンたちの歌が入っていないとかありますけど、それらはアルバム発売と言うことを考えると妥当な選択だったのでしょう。*4

  1-1.序曲 ~パルチザンの戦士たち~
    2.若者に未来を託して
    3.メインテーマ ~新しい旅へ~
    4.謎の幽霊列車
    5.車中にて ~LOVE LIGHT~      ★

  2-1.メーテルの故郷、ラーメタル     ★
    2.再会 ~LOVE THEME~
    3.黒騎士ファウスト          ★
    4.過去の時間への旅

  3-1.青春の幻影
    2.大宇宙の涯へ ~光と影のオブジェ~
    3.惑星大アンドロメダ         ★
    4.生命の火
    5.崩壊する大寺院

  4-1.サイレンの魔女
    2.黒騎士との対決
    3.戦士の血
    4.終曲 ~戦いの歌~
    5.さよなら銀河鉄道999 ~SAYONARA~

  (★は1枚もののCDでは未収録曲)*5

 1-1は映画冒頭、機械人間との戦いに敗れた鉄郎らパルチザンたちがアジトへ帰っていくシーンにオーバーラップしてスタッフクレジットが出てくるタイトル・シーンの音楽。アニメ作品とは思えないない重厚な音楽です。前作のダウンタウンの鉄郎は貧しくても希望がありましたが、今やそれもなく、敗北に打ちひしがれた絶望の様子を現実のものとして聞かせる音楽です。この最初の1曲だけで、これは前作の映画とはまったく違う作品だと言うことを思い知らせてくれました。
 1-1のラストにはパルチザンの一人が吹いていたハーモニカの音楽がオーケストレーションされて入っています。劇中のハーモニカ・ソロはそれで良いけど、アルバムだけ聴いた場合、このオーケストラ版の方が曲そのものに込められた思いと言うものが伝わって来ているような気がします。

 1-2は機械人間たちがプロメシュームシュプレヒコールを上げる光景に鉄郎が衝撃を受けるシーンから、メーテルからのメッセージに999に乗ることを決意するシーン、そしてメガロポリス・ステーションめざしてパルチザンたちが突入していくシーンの音楽が延々と続きます。殺伐としたシーンの音楽が大半なのですが、鉄郎の決意にパルチザンたちが協力を申し出るシーンの盛り上がるあたりが好きですね。

 1-3は999が瓦礫だらけの駅の中から発車するシーンの音楽です。この作品の音楽はライトモチーフ的な作りではなく個々のシーン毎に音楽を作っている感じなのですが、このメインテーマは明確な形でくり返し使われています。
 驀進する999の力強さと、仲間を犠牲にしてまで999に乗って地球を離れる鉄郎の悲痛な思いが込められ、強く印象に残る曲です。でも、曲全体のスタイルがどこかジョン・ウィリアムズの『スーパーマン』のテーマに似ているんですね……。おまけに『究極超人あ~る』で田中公平氏が似たようなフレーズの曲を書いていますし……

 1-4は冥王星を通過した999を謎の幽霊列車が追い越すシーンの音楽ですが、これまた幽霊列車が物凄いスピードで追い越していく緊迫したシーンを見事に音楽で描いていますが、それだけに単独の曲としてはちょっと馴染みにくい面もあります。

 1-5はメアリー・マッグレガーの歌ですが、何か作品の雰囲気とは全然そぐわない曲なので劇中ではさすがに使われていません。1枚もののCDでも収録されていませんね。一応、この作品用に作った曲なので入っているという感じですが、むしろアルバムの雰囲気を損ねているような感じがします。
 恐らく、作品についての詳しい打ち合わせも無いままに適当に作ってもらった曲と言う感じがするのですが、こういう曲を見ると話題作りのために安易に外国歌手に主題歌を歌わせる*6のはどうかなと思いますね。

 2-1はヘビーメルダーへの停車を中止した999が臨時にラーメタルに停車したシーン、鉄郎がラーメタルへ降りてメーテルのことを調べようと動きまわるシーン、メーテルの生家の古城でのミャウダーとの会話、そして駅へ急ぐ鉄郎をアルカディア号が助けるシーン等、ラーメタルでの一連の音楽が収録されています。
 聴き所といえば、古城のシーンで鉄郎がメーテル肖像画を発見するあたりの音楽でしょうか。どことなくミステリアスで切ない調べが奏でられています。

 2-2はラーメタルでのメーテルとの再会、そしてラストのメーテルとの別れのシーンに使われた愛のテーマですね。前作の少年の憧れのような淡いメロディーではなく、はるかに具体的ですがそれでいて切ないメロディー。それを奏でる軽快なピアノはというと、お馴染みの羽田健太郎氏ですね。
 羽田氏のピアノとオーケストラが奏でる愛のテーマと言えば『ヤマト』の一連の音楽が挙げられますが、例えば「大いなる愛」なんかと聴き比べてみても良いかも知れません。個人的な感覚では、この曲は「大いなる愛」よりも好きなのですが。

 2-3はラーメタルを出た999の前に現われた黒騎士ファウストとの対決の一連の音楽ですが、どうも不気味さだけを強調した音楽が続いて好きになれませんね。それでも鉄郎に撃たれたファウストが去っていくあたりの部分はなかなかなものを感じます。

 2-4は過去の時間に追いやられた鉄郎が、亡き母との最後の晩の光景に遭遇したシーンの音楽です。例えようも無い悲劇と、それを前にして何も手が出せない鉄郎の絶望。それをワルツ状の物悲しいメロディーで奏であげています。このサントラの中では屈指の名曲と言えるでしょう。

 3-1は惑星モザイクまで来た鉄郎が様々な疑問を持ったまま旅を続けることにモノローグでつぶやくシーンに使われていた音楽です。ミステリアスで切ない調べを、これまたピアノが美しく奏でてくれる名曲ですが、劇中では使用箇所が短かったのが残念でした。

 3-2は999が惑星大アンドロメダへ向かう途中、様々な現象が起こっている空間を通過していくシーンに流れていた曲です。このサントラでは唯一のシンセサイザー曲なのですが、映像自体、この曲に合わせて作られていたような感じがする一大ページェントになっています。
 シンセも現在では生楽器の代わりに使われることが多くなりましたが、この当時は電子音を奏でるための楽器という感じで使われるのが主流で、この曲も電子音バリバリのシンセ曲になっています。個人的には好みの音楽では無いのですが、今となっては時代を感じさせてくれる懐かしい曲のひとつですね。

 3-3は大アンドロメダに到着した鉄郎がファウストに迎えられる一方、メーテルプロメシュームに会いに惑星の中心部へ降りていくシーンに使われていた曲です。緊迫した雰囲気を嫌が上にも盛り上げてくれる曲なのですが、CDには収録されていないのが残念ですね。そして、プロメシュームメーテルの会談。謎をが謎を高める重要なシーンの音楽です。

 3-4は新たに機械帝国の女王になったメーテルが鉄郎たちを生命の火のカプセル工場に案内するシーンの音楽です。幽霊列車が捕らえてきた生身の人間の生命からカプセルが作られているという事実に鉄郎たちが受けた衝撃を、そのまま音楽で盛り上げていますが、カプセル工場をバロック調の音楽で表現している辺りは何でしょうね。そして工場の破壊。いよいよクライマックスに近付いてくるという雰囲気を高めてくれる音楽です。

 3-5は惑星大アンドロメダ崩壊のシーンを延々と奏でる音楽ですね。メーテルプロメシューム打倒を決意。その前に立ちふさがる黒騎士ファウスト。それと対峙する鉄郎。そしてアルカディア号とクイーン・エメラルダス号の来援。力強いオーケストラの響きは段々エスカレートし、後半はオーケストラ・ヒットの連続という感じの凄まじい曲です。

 4-1は大アンドロメダの空域に出現した暗黒彗星・サイレンの魔女から必死に逃れようとする999。その後方で次々に崩壊して飲み込まれていく大アンドロメダ。さらに緊迫感高まる展開に音楽もエスカレートしていますが……う~ん。オーケストラの人、大変だったでしょうね。

 4-2はいよいよ鉄郎とファウストの決着を付けるシーンの音楽ですが、舞台背景はまだまだサイレンの魔女の影響下にあるので、音楽は引き続いています。そして徐々にファウストの描写が大きくなり、鉄郎との決闘。間に入るミャウダーのオルゴールの音。鉄郎がファウストを破り、いよいよ999がサイレンの魔女から逃れられるあたりの音楽は圧巻です。ラストで断末魔の叫びとともに消えていくプロメシュームの音楽が寂しげです。

 4-3の大アンドロメダの核だった小惑星に降りたメーテルが母との過去を語るシーンからオーバーラップしてラーメタルの古城の肖像画に重なるシーンに使われたやや物悲しい感じの音楽。そして、ミャウダーの墓の前でハーロックに決意を語る鉄郎と、鉄郎を見送るハーロックのシーンに使われた音楽が続きます。本来ならもうちょっと盛り上がりがあっても良いところですが、この作品では後の展開が詰まっているためか、あっさりと終わっているのがちょっと寂しいですね。

 映画ではメーテルとの別れのシーンに2-2が再び流れた後、終曲の4-4が流れます。ファンファーレ的なイントロの後、ラーメタルでのパルチザンの歌を用いた男声合唱、そしてオーケストラの奏でる力強いグランドフィナーレ。「そして少年は大人になる」というフレーズがわざとらしくなく自然に受け入れられるような見事なフィナーレでした。
 重厚な男声合唱とオーケストラで飾られたフィナーレ曲。アニメ音楽史上でも屈指の名曲と言えるでしょう。これ1曲聞くだけでもCD代が惜しくない。そういう曲ですね。

 4-5はエンディング曲ですが、4-4を聴いた後ではただのおまけですね。前作と違って映像が本編とつながっていないし、音楽も劇伴は劇伴だけで完結してしまっていますから。メアリー・マッグレガーの歌は悪くは無いし、スタッフクレジットのバックにセピア色で前作のクライマックスシーンが挿入されている部分は、熱く感じるものがありましたが、それ以上のものはありませんね。

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2.DIGITAL TRIP さよなら銀河鉄道999 シンセサイザー・ファンタジー

 この頃から DIGITAL TRIP と名付けられたアニメ作品等のシンセ・アレンジ盤が以降数年間、コロムビアでリリースされるようになりました。この『さよなら銀河鉄道999*7はその初期のアルバムだったと思います。
 このシリーズも安直に作られていると思うようなアルバムが、後になれば多いように思われましたが、初期のアルバムは比較的アーチストを選んで作られていたようです。中でもこの作品は作曲者の東海林氏自らのアレンジと言うことで、なかなか興味深いものがありました。

  A1.未知への旅      Trip to the Unknown
   2.幽幻なるラーメタル  Mysterious Larmetal
   3.最後の審判      Doom's Day
   4.青春の幻影      Dream

  B1.光と影のオブジェ   Waves of Light
   2.運命の女       La Femme Fatale
   3.約束の地       The Primised Land
   4.SAYONARA

 サントラと曲名が変わっているのは愛敬として、B1みたく元々シンセ曲だったのを入れているのは疑問がありますが。サントラが重厚過ぎた分、このシンセ盤の方が聴き心地の良い部分があるのも確かです。
 ただ、思ったほどのアレンジがなく、サントラに忠実な面が多かったのが少し残念でした。

 一時はめぼしい作品には必ず出ていた『DIGITAL TRIP』で、同じようなシンセ盤が徳間からハイテック・シリーズとしてラインナップされたりもしましたが、アニメのヒット作品が少なくなった80年代後半にはいつのまにか消えていました。
 アニメの音楽自体、人件費高騰の影響からか生楽器の演奏が少なくなり、多くをシンセに頼るようになってしまった現在、シンセ・アレンジ盤というものには無理があるのかもしれませんね。まあ、良くも悪くもオリジナルのサントラ盤が生楽器の演奏で、シンセといえばYMOに代表されるテクノポップだという時代の産物ですね。

 一昨年、当時の『DIGITAL TRIP』シリーズのいくつかが廉価版CDで発売されましたが、幾つかのヒット作品のシンセ盤は出てきたものの、この『さよなら銀河鉄道999』はラインナップから漏れていました。アニメ作品のネームバリューを基準にして出すのもわかりますが、せめて『DIGITAL TRIP』シリーズの先駆的存在だったこのアルバムは入れておいて欲しかったですね。*8

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3.『交響詩』のCD化未収録曲について(2019年補足)

 CDの黎明期である80年代半ばにCD化*9された際には、LP2枚の曲をCD1枚に収録できなかったため、2枚組化による高価格化を避けたのか、4曲を削って商品化されました。その後、同じタイトルで再発売したり廉価盤が出たりしてますが、1枚もので出てる商品の収録曲はずっと不変で4曲が削られたままです。

 CD化で削られた4曲のうち「LOVE LIGHT」は歌ものなので主題歌集とか『松本零士の世界』等のオムニバス盤に収録されているシングルバージョンで聴くことができました。残る3曲は『松本零士音楽大全』でようやくCD化されましたが、これは既存CDの未収録曲だけ収録したという形なので、本来のアルバムの構成では聴けません。

 『交響詩』を本来の2枚組にすることでオリジナルのアルバムの形を復刻したのが『放送30周年記念作品 銀河鉄道999 CD-BOX』*10でした。ここから単品の商品化で2枚組紙ジャケット*11が出ています。


 ついでなので『DIGITAL TRIP さよなら銀河鉄道999』について。アルバム全曲が収録されてるものは記事中の注釈を参照のこと。
 長らくアルバムがCD化されてなかった商品ですが、個別の曲としては次のものがCDで聴くことができました。

 「最後の審判」……『Digital Trip Catalogue』
          (COCC-11067 93.09.21 ¥1,800)

 主要なタイトルが一斉に復刻された際に発売された文字通り「DIGITAL TRIP」シリーズのサンプル曲を集めたカタログみたいなCDです。

 「運命の女」……『松本零士音楽大全』
         (GES-31170~79 00.05.28 ¥50,000)

 これ1曲だけが『交響詩』のCD未収録曲や「SAYONARA」の日本語版と並んで収録されています。

 ま、どちらも今となっては入手の難しいアイテムなので、素直に『DIGITAL TRIP さよなら銀河鉄道999』のCDを探した方が良いでしょう。

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 95.02.19)

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とりあえず全曲収録の2枚組
交響詩 さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅-(紙ジャケット仕様)


4曲削られてる1枚もの廉価盤
〈ANIMEX 1200シリーズ〉(4) 東映長編アニメーション映画 オリジナル・サウンドトラック 交響詩 さよなら銀河鉄道999



交響詩』ではない本編劇伴曲と、『DIGITAL TRIP』全曲を収録
GALAXY EXPRESS 999 ETERNAL EDITION File No.3&4 劇場版 さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅-



『DIGITAL TRIP』単品アルバム。高騰化してるのでお薦めしませんが。
DIGITAL TRIP~さよなら銀河鉄道999シンセサイザー・ファンタジー~(紙ジャケット仕様)



『さよなら』だけじゃなくTVシリーズや劇場版1作目のアルバムも完全復刻したBOX
「銀河鉄道999」放送30周年記念作品 銀河鉄道999 CD-BOX

*1:当時はシンセ・ミュージシャンとして主に活躍されていたようです。コロムビアの DIGITAL TRIP シリーズも『マクロス』『ガンダム』等、何枚か手掛けています。アニメの劇伴では劇場版『コブラ』も担当されていたようですね。残念ながら、昨年(2018年)鬼籍に入られました。

*2:交響詩 さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅~』(CB-7114~5 81.07.-- ¥3,900)

*3:厳密には『交響詩』はレコード用の音源であり、本編劇伴にはモノラルトラックダウンされた別音源の曲が使用されています。

*4:後に出た『ETERNAL EDITION 銀河鉄道999 File No.3&4 さよなら銀河鉄道999』(COCX-31426~7 01.06.21 ¥3,800)にはアルバム用の『交響詩』ではなく本編使用BGMが収録されていますので、ハーモニカやオルゴールの音、ラーメタルでのパルチザンのアカペラコーラスを聴くことができます。

*5:「3.『交響詩』のCD化未収録曲について(2019年補足)」参照

*6:翌年の劇場版『1000年女王』のデラ・セダカとか、翌々年『幻魔大戦』のローズマリー・バトラー等、この時期は多かったみたいですね。それに倣ってか新作『ゴジラ1984)』もスターシスターズというオランダのグループが主題歌を歌ってましたが、日本での契約が切れたとかで最近出たサントラ盤に主題歌が収録できなかったそうです。上記のアニメ作品もそんなことにならなければ良いのですが……

*7:『DIGITAL TRIP さよなら銀河鉄道999 シンセサイザー・ファンタジー』(CX-7042 81.12.-- ¥2,500)

*8:一般商品としては『ETERNAL EDITION 銀河鉄道999 File No.3&4 さよなら銀河鉄道999』に全曲収録されたのが初CD化。後に『放送30周年記念作品 銀河鉄道999 CD-BOX』(COCX-35145~53 08.09.09 ¥19,047)の際にアルバム単位で復刻、それが紙ジャケット仕様で単品発売(COCX-36079 10.02.24 ¥2,500)されたりしましたが、比較的入手しやすいのは『ETERNAL EDITION』かな。紙ジャケット盤は速攻で高騰化してしまってますので、これを中古で買うぐらいなら30周年記念BOXを探したほうが割安かも。

*9:交響詩 さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅~』(32CC-1003 86.08.21 ¥3,200)

*10:『放送30周年記念作品 銀河鉄道999 CD-BOX』(COCX-35145~53 08.09.09 ¥19,047)

*11:交響詩 さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅~(紙ジャケット仕様)』(COCX-36077~8 10.02.24 ¥3,000)
こちらはまだ現行商品として在庫があるみたいなので入手は容易でしょう。

新竹取物語1000年女王(TV版)

1.新竹取物語1000年女王 TVシリーズ音楽編

 2年半という比較的長寿番組になった『銀河鉄道999』の後番組として始まったのが『新竹取物語1000年女王』でした。『ヤマト』『999』のヒットを受けてフジ=サンケイ・グループが一大プロジェクトとして新聞連載/TV番組/劇場映画を並行して製作したもので、当時フジTVでは『Dr.スランプ アラレちゃん』と並んで力を入れていた番組のようでしたが、『Dr.スランプ』が長寿番組として続き、その後番組『ドラゴンボール』『ドラゴンボールZ』が現在も続いているのとは逆に、この『1000年女王』が1年で放映終了の後に、松本零士作品が作られることはありませんでした。
 いわば松本零士から鳥山明の時代*1に変わる境界期の作品とも言えるわけですが、再放送も無いためかあまり印象に残ってはいませんね。

 音楽面でも本編の劇伴にはあまり印象に残るものはなく、どちらかというと松本零士作品ということで惰性でサントラ盤*2を買ったというのが正直なところですね。発売がキャニオン・レコード(現ポニー・キャニオン)と言う、アニメのサントラでは未知のメーカーだったし、なによりも「ボーカル曲が多い」とか「断片的な音楽が多い」という印象を強く感じました。また解説書に曲目解説が載っていないことに大いに驚きました。*3

 とりあえず、まず収録曲です。

  A1.コスモス・ドリーム ~宇宙をかける夢~   高梨雅樹
   2.宇宙の夜明け
   3.せまりくる悪魔
   4.涙こらえて
   5.明日の明星(ビーナス)          戸田恵子
   6.1000年盗賊のテーマ
   7.愛あればこそ
   8.ラーメタル・ララバイ           潘 恵子
   9.宿命の道

  B1.異次元惑星
   2.飛べ鉄のペガサス             高梨雅樹
   3.いつか別れが…
   4.謎の追跡
   5.星の航海
   6.さよならからの旅立ち ~Time has come, time has passed~
                          石川まなみ
   7.ふたりの楽園
   8.幸福へのパスポート
   9.まほろば伝説               石川まなみ


 これまでに取り上げて来たアルバムをご覧になれば分かると思いますが、それまでに聴いてきたアルバムの多くはボーカル曲が入っていないか、せいぜい主題歌が2曲ほど入っているほどで、劇伴そのものやシンフォニーアレンジの曲が中心でした。ところが、このアルバムには主題歌・挿入歌合わせて6曲も入っていて、収録時間の約半分をボーカル曲に割り当てられていたのです。
 肝心の劇伴はボーカル曲の間の穴埋めとは言わないまでも、アルバムの主体では無いような感じがしました。それを裏付けるかの如く、LPの帯に音楽担当として記載されていたのは宇崎竜童、阿木燿子の両氏*4でした。
 当時、宇崎・阿木コンビといえば歌謡曲のヒットメーカーでしたから、そのネームバリューを当て込んだのかも知れませんが、アニメのサントラ盤の音楽担当として作詞者の阿木燿子の名前が並んでいるのは奇妙な感じがしました。それよりアレンジャーとして実際の劇伴の大部分に関わっていたはずの朝川朋之氏*5の名前がここに無いのですね。
 LPのレーベルや解説書には朝川朋之氏の記載はありますが、とりあえず載せただけという感じだったことは否めないでしょう。『ヤマト』以降、アニメの劇伴作家に注目が向けられるようになったとは言え、コロムビアやキング以外のメーカーになると当時はまだまだこういう状態がありふれていたようです。これより数年後に「アニメージュ」レーベルを引っ提げて登場した徳間でさえも『超時空騎団サザンクロス』のサントラ盤にはついにどこにも音楽担当者の記載がありませんでしたね。

 実際にどこまで手掛けたかは別として、主題歌・挿入歌・BGMの作曲は全て宇崎竜童氏ということになっています。
 アニメの音楽を手掛ける作曲家を大雑把に見ると、純音楽作品とか本格的な映画音楽を作っている人と、ジャズや歌謡曲などポピュラー系のメロディーを作っている人とに分けられると思いますが、宇崎氏は言うまでもなく後者の人ですね。それもロック系の人で、ヒットメーカーであってもメロディー的に作り込んでいくというタイプの作家では無かったように思います。
 ボーカル曲を適当に散りばめて雰囲気を作れば良いような実写ドラマの音楽はともかくとして、アニメの、それも松本零士の作品の音楽には合っていないのではないかと思いました。だから、当時『1000年女王』の音楽には個人的に期待はしませんでした。

 TVのBGMそのものは、ある程度見つづけていれば愛着も出てくるのですが、このアルバムの収録曲はそれをフォローできるだけのBGMを含んではいませんでした。
 中にはシリーズ中でしばしば使われている重要な曲もあるのですが、構成が問題なのか、断片的に聞こえるものが目立っていて、アルバムのトータル的なイメージが散漫で、あまり印象に残っていませんね。

 ところが、劇伴を中心に見たらあまり良いイメージが無かったこのアルバムなのですが、極めて印象深く残ったものがありました。戸田恵子さんの「明日の明星」と潘恵子さんの「ラーメタル・ララバイ」という2つのボーカル曲です。
 戸田恵子さんは主人公・雨森始、潘恵子さんは雪野弥生役の、二人とも当時は人気の声優でした。声優がアニメの主題歌や挿入歌を歌うことは従来からも珍しくありませんが、ヤマト・ブーム以来の声優人気の中でその位置づけは変わって来たように思えます。
 アニメソングに声優を起用するというのが、声優人気に乗じてレコードの商品価値を高めるというメーカー側の戦略が出てきたわけですね。すでにキングでは『ガンダム』や『イデオン』をはじめとして声優を積極的に使っていたようですが、むしろ声優人気を煽り立てるという点では、これ以降のキャニオン(ポニー・キャニオン)が一段と目立っています。*6

 ヤマト以来、シンフォニーアレンジや劇伴を中心にアニメのアルバムを聴いてきた立場からすると、声優の歌うボーカル曲というのが前面に押し出されて来ているということに、強い衝撃を受けざるをえませんでした。それまではボーカル曲の入ったアルバムは、どうせヤマト以前の子供騙しみたいなアルバムだろうと、ある程度偏見を持っていたのですが、人気歌手を使った話題作りのための主題歌以外にもそうではない新しいタイプのアニメソングが作られてきているのだということを、このアルバムで感じることができました。

 ついでに、石川まなみさんの2曲も良い曲ですので機会があれば、是非聴いて欲しいですね。

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2.あとがき

 残念ながら以前に『松本零士音楽大全』にボーカル曲を中心に抜粋で収録されただけで、アルバム単体でのCD化はされていません。記事中ではサントラとしては期待はずれだったと書いてありますが、それでも購入して聴こうと思った作品のサントラだから、それなりには愛着があります。完全な形で聴けないというのは悲しいですね。

 主題歌に関しては現在はいくつかのオムニバス盤に収録されているので聴くのはそんなに困難ではなくなりましたが、以前は主題歌すらCD化されてない期間が長くありました。それを埋めていたのがコロムビアから発売されている『松本零士の世界』に収録されてる主題歌のカバーバージョンでした。
 カバー版の「コスモス・ドリーム」を歌っていた成田賢さんは先日亡くなられてしまったとのことで、ここでも時間の流れというのを痛感します。

 基本的には自分が気に入って影響を受けたサントラだから他の人にも聴いてほしいってものを中心に取り上げていますが、どちらかというと人に薦めようとは思わないアルバムでもこの連載では取り上げることもあります。それはそれで何らかの影響を受けたアルバムです。次に聴くアルバムの選択に影響を与えるということで、それはそれで個人的に意味の持ったアルバムということになります。今回はそんなアルバムの一つでした。

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 95.02.13)

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サントラ盤はいかんともしがたいので、とりあえす主題歌の収録アルバム。
成田賢かおりくみこによる主題歌のカバー曲。現行商品として入手容易なのはこれくらい。
松本零士の世界


オリジナルのOPとEDが両方入ってるので、比較的入手しやすいのはこれくらいかな。
みんなのテレビ・ジェネレーション アニメ歌年鑑1981

*1:富野由悠季の時代とか、宮崎駿の時代とか、押井守の時代とか……一般にアニメ界の中だけで見るとそういうアニメ作家の名前が並んできますけど、もっと社会全般の視野で見ると松本零士の次は鳥山明の時代のような感じがしますね。(1995年の視点から見ると)宮崎アニメも一時トレンディーな存在でしたが、鳥山明作品ほどの社会への浸透は無かったのではないでしょうか。(こういう視野からのアニメ評論を読んでみたい気もしますが……暴論かもしれないけど)

*2:松本零士の新竹取物語1000年女王 TVシリーズ音楽編』(C25G-0111 81.09.-- ¥2,500)
今に至るもアルバムそのものはCD化されていません。『松本零士音楽大全』に抜粋(ボーカル曲全曲とBGM数曲)で収録されているだけです。

*3:廉価版のCD発売時には割愛される場合も多いのですが、当時のサントラ盤の多く、特に「交響組曲」とか「交響詩」とか名乗ってるアルバムには一曲一曲ちゃんと楽曲解説が付いていたので、それが無いのは不親切なように感じました。

*4:謡曲メーカーとしては山口百恵への楽曲提供などで有名なわけですが、こと強く印象に残ってるのは宇崎氏が自ら率いていたダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」ですので。

*5:その後、単独で『ファイブスター物語』や『女神候補生』の音楽も手がけてらっしゃいますが、むしろ近年はハープ奏者としての活躍のほうが有名でしょう。スタジオミュージシャンとして数々のサントラ盤などに参加されている他、ヴァイオリニストの川井郁子さんのコンサートの伴奏なんかもされています。

*6:声優のアルバムはむしろコロムビアやキングの方が早かったと思いますが、キャニオンの場合は結構売り方が特徴的ですね。声優の一般タレント化は昨今のセラムン声優以降に目立って来ていますが、高橋美紀さんをあの時期にああいう売りかたをしていたのは画期的でしたし、現在(1995年)でも井上喜久子さんのアルバムはかなり個性的ですし……

宇宙戦艦ヤマトⅢ

1.交響組曲 宇宙戦艦ヤマト

 現在のところヤマト最後のTVシリーズとなっている『宇宙戦艦ヤマトⅢ』ですが、その数カ月前に劇場公開された『ヤマトよ永遠に』とは全く傾向の違う作品でした。第1作の原点に帰るというフレーズをしばしば耳にしたように、作品を重ねる毎にスケールアップしてきた前作までとは違って、ある程度ヤマトの航海そのものに焦点をあてたような作品でした。
 音楽もパイプオルガンを使ったり、シンセサイザーを正面に持ってきたようなわざとらしい音楽ではなく、オーソドックスな作りだったと思います。新録曲もたくさんありますが、パート1のBGMが久し振りに使われていたり、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』の「序曲」後半部や「明日への希望」「スターシャ」などこれまで劇中には使用されていなかった曲が劇伴として使われていたりと、音楽的にはバラエティに飛んでいました。
 サントラ盤は第1作に倣ってか、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ』*1として出されましたが、特にアルバム用にシンフォニック・アレンジされたような曲は見当たりません。*2

  A1.THE SUN 太陽のシンフォニー
   2.ヤマト新乗組員のテーマ
   3.ガルマンガミラス
   4.LOVE
   5.第18機甲師団
   6.ボラー連邦

  B1.シャルバート星
   2.デスラーズ パレス
   3.ルダ王女のテーマ
   4.ルダ王女の恋
   5.ガルマンガミラスの戦い
   6.ボラー連邦(ギター・ソロ)

 A1はこの作品のメインテーマである太陽のテーマです。イントロダクションの後、前半部は穏やかな恵みをもたらす母なる太陽のイメージ。川島和子さんのスキャットが、第1作の「無限に広がる大宇宙」に匹敵するように素晴らしく響きます。後半部は核融合異常増進を起こした脅威としての太陽。低音のブラスの音がその不気味さをどことなくもの悲しげに奏でています。
 作品中では後半部とそのバリエーションが多用されていましたが、スキャットとピアノの音が美しいハーモニーを奏でる前半部は初期に僅かしか使われていないのが寂しいですね。

 A2はこの作品からヤマトに配属された少年宇宙戦士訓練学校の卒業生たちの初々しく意気盛んな活躍振りを表した曲です。かなり本格的なマーチ曲として作られている曲で、力強さというものが実感できます。

 A3はシリーズ前半でヤマトの前に立ちはだかった、強大な軍事国家ガルマンガミラス帝国のテーマ曲です。シリーズ後半はむしろヤマトの味方としてデスラー総統のイメージが前面に出た音楽傾向が見られますから、どちらかというと東部方面軍ガイデル提督の強大な軍事力を表した曲と言えます。特にガイデル提督の機動要塞がヤマトを捕獲するシーンの緊迫感を非常に高めていた曲でした。

 A4は愛のテーマというわけですが、従来のヤマトのように作品の前面に押し出したテーマとしての愛ではなく、戦いの合間にひととき花を咲かせるほのかな恋愛感情を描いた音楽ですね。前半は惑星ファンタムの穏やかな自然を表すのにも使われていましたし、後半はしばしば相原と晶子の恋を奏でていました。音楽的にも大上段に構えたものではなく、ピアノやギターを主体にイージーリスニングっぽく作られています。そういう意味ではヤマトという作品を離れても単独の音楽としてなりたつような感じですね。しかし、この作品の愛のテーマというと、もっと頻繁に使われていた曲*3があるような気がするのですが、レコード化はされていないみたいですね。
 聴けばいかにも宮川泰氏らしい音楽ではあるのですが、それでいてヤマトらしくはないという不思議な曲です。

 A5はガイデル提督麾下のダゴン将軍率いる第18機甲師団のタイトルが付けられていますが、実際にはダゴン艦隊のテーマとしては使われていたような記憶はなく、むしろ惑星ファンタムの調査にヘルマイヤー少佐が派遣されてくるシーンの印象が残っていますね。明るく軽快な曲なので、やはり悪役のダゴン将軍よりもシリーズ後半のガルマン帝国の活躍を表すほうが似合っている気がします。

 A6はガルマン帝国と銀河系を2分するボラー連邦のテーマですが、これまたシリーズの初期と後半とではイメージが変わっているのですね。当初はガルマン帝国の侵攻の前に傷ついたラジェンドラ号の痛々しい戦いをもの悲しげに奏でていたのですが、そのうちに銀河の覇権を目指す冷酷なボラー連邦を表す不気味な音楽に感じられるようになりました。音楽そのものはスラブ音楽、それもコサックの舞踊音楽を下敷きにしているようです。
 ボラー連邦自体、旧ソ連をモデルにした国家ですから、こういう露骨な音楽表現にはどこか抵抗を覚えてしまうのも確かですが、その反面、エスニックな音楽はどこか新鮮なものを感じさせてくれたのも事実です。

 B1はシャルバート星のテーマですが、どちらかというとマザーシャルバートやシャルバート信仰を表した曲と言えるでしょう。A1に引き続きこれまた川島和子さんのスキャットの映える曲ですが、より具体的な音楽でありながら神秘的であり、祈りの対象を神々しく奏でています。それでいて現実の宗教臭くないのは、すでにヤマトという世界が確立されているからでしょうか。

 B2はガルマンガミラスを統一したデスラー総統に関するテーマ音楽をまとめあげた曲になっています。冒頭部はデスラーズパレスに君臨するデスラー総統の登場のモチーフ。そしてガルマン本星にデスラー総統を訪れるヤマト乗組員の回想や、デスラーのスターシャへの想いなどを綴った音楽が展開されていきます。
 最後に強大な軍事国家の指導者としての現実を表すフレーズで閉じられますが、このアルバムの中では唯一交響詩的な広がりを感じさせる曲です。

 B3はシャルバート星の後継者であるルダ王女のテーマですが、ピアノを主体にしたメロディーが軽やかに奏でています。ほとんどシリーズのラスト近くになってからの登場なので、そう使用頻度の高い音楽ではないのですが、惑星ファンタムでの登場シーン、スカラゲック海峡星団でシャルバート星への招待を告げる場面など、要所で印象に残る曲です。

 B4はルダ王女と揚羽の恋を描いた曲ということのようですが、実際にはシリーズ打切りのために恋愛はほとんど展開せず、どちらかというと最終話で揚羽機をルダ・シャルバートが手招きしているシーンの音楽の印象が強いですね。*4

 B5はガルマンガミラスのテーマをブラス主体の軽快なアップテンポの曲にアレンジしたものですが、やはりガルマン帝国のイメージとは合わないのか、あまり使用されていたような感じはありません。印象的なのはバーナード星で新反射衛星砲の攻撃シーンに使われていたところぐらいでしょうか。しかし、この時は非常に緊迫感が現れていたようです。ただし、ガルマン帝国側のテーマというよりガルマンと戦うヤマトのテーマと言う感じがして複雑ですね。

 B6はA6をギターソロにアレンジしたものですが、この頃のヤマトのアルバムはむやみやたらとギターソロの曲が入っているようで、あまり関心を持ちませんでした。演奏は良いのですが、曲そのものには興味が無かったという所です。

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2.交響組曲の終焉

 このアルバムが『交響組曲』として出されたという意図がよくわからないんですね。第2作以降のヤマトのサントラ盤は取り立ててそういう名乗りをしていないし、このアルバム自体、全面的にシンフォニーアレンジされているアルバムでもないわけですし。シンフォニー盤を名乗るのなら『ヤマトよ永遠に』の2枚目の音楽集のほうが遙かにふさわしいでしょう。

 当時のコロムビアのラインナップから見ると、ただのサントラ盤が『交響組曲』を名乗っていたりするのは珍しくも無いのですが、ヤマトといえば最初の『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』の印象が強いために、このアルバムは中途半端なものにしか感じませんでした。
 こうした『交響組曲』を詐称するアルバムの氾濫も、元はと言えば『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』のヒットに原点を発するものですから皮肉なものです。一方でキングレコード辺りがサンライズ作品を中心にBGM収録のサントラ盤を多くリリースし始めていた時代ですから、内容を問わず交響組曲交響詩組曲などを名乗ったアルバムというのは既に時代遅れだったような感があります。

 ヤマト自体、このアルバムの少し前に念願のBGM集が発売されているくらいですから、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ』というアルバムがちぐはぐな感じをファンに抱かせたことは否めないでしょう。

 これ以降、コロムビアでも最初から『交響組曲』を名乗るようなサントラ盤は次第に無くなっていきますが、この『交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ』というアルバムがその終焉期の侘しさを現しているようで、何となく複雑な気持ちがします。
 もちろん、『交響組曲』を名乗るアルバムは、その後も現在に至るまで存在していますが、文字通り既成のアルバムのシンフォニーアレンジ盤としてレコード会社の商品ラインナップの中に組み込まれて行き、そして一時の粗製濫造のような商品展開も現在では遙か過去のものとなっています。
 ある意味ではこれが本来のサントラ盤の作り方だと言えますが、反面、BGMをそのまま集めただけのアルバムこそ氾濫したものの、シンフォニー盤という大義名分の下に手間暇かけたアルバムが少なくなってきたことも事実のように思えますね。そしてシンフォニーを味わうことができるアルバムも絶対的に減ってきたようです。
 この時期のアルバムに慣れ親しんできた身にとって、今もシンフォニー盤には特別な感情を覚えてしまいます。ここ数年は新譜のシンフォニー盤には触れる機会がありませんでしたが、昨年(94年)は偶然2枚のアルバムに出会うことができました。『機動戦士Vガンダム』のモチーフを使った千住明氏の『交響組曲第2番 THOUSAND NESTS』、そして『交響詩 美少女戦士セーラームーンR』。
 前者はアニメ作品の枠を取り去って音楽の世界だけを昇華させたアルバム、後者は既成の音楽から離れて作品そのものの世界を新たな音楽で展開させたアルバムとして、それぞれかつてのサントラ盤の範疇でしかなかったアルバムたちと比べると、なかなか興味深いものがあります。これらについては、また別の機会に。

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3.『交響組曲』の未収録曲について(2018年補足)

 当然ながら劇中で印象深かった曲なのに『交響組曲』には入ってない曲は多いわけで、バーナード星で新反射衛星砲の攻撃受けてるところの戦闘曲*5とか、次元潜航艇の登場シーンの音楽*6とか、最終回の土門がハイドロコスモジェン砲を治そうと甲板に飛び出していくシーンの戦闘曲*7とか、あるいは惑星ファンタムで第2の地球の光景に安らぐシーンの音楽*8とか。

 ま、それらは後に『BGM集』*9が発売されて聴けるようになるわけですが、ここにちょっとトラブルが。「静かなる戦い」と「バーナード星の戦闘」がモノラルなのは当時は音源が見つからなかったそうなので仕方がありません。(ETERNAL EDITIONには収録されず、YAMATO SOUND ALMANACではステレオで収録されています)
 ただ、1995年発売の旧版の『BGM集』ではこの2曲が入れ替わって収録されていて、新反射衛星砲の曲に「静かなる戦い」、次元潜航艇の曲に「バーナード星の戦闘」と付けられていました。2000年代の再発売版では正しい収録順に直されているようです。(新反射衛星砲の曲の方が「バーナード星の戦闘」)

 旧版の『BGM集』しか持っていない人は、曲が入れ替わってるということと、あとYAMATO SOUND ALMANACシリーズのBGM集*10ならちゃんとステレオで聴けるということを知っておいてほしいと思います。 

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 95.01.24)

 

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YAMATO SOUND ALMANAC 1981-Ⅰ「交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ」


オリジナルBGMコレクション 宇宙戦艦ヤマトⅢ


ETERNAL EDITION File No.7 「宇宙戦艦ヤマトⅢ」


YAMATO SOUND ALMANAC 1981-Ⅱ「宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 PART1」


YAMATO SOUND ALMANAC 1981-Ⅲ「宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 PART2」

*1:『交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ』(CX-7015 81.02.25 ¥2,500)
現在はYAMATO SOUND ALMANACで出ているものが入手しやすいでしょう。(COCX-37397 13.01.23 ¥2,500)

*2:厳密に言えば劇伴そのものとは別テイクとかはあるでしょうが、アルバムのための目立った特別な作曲はされていないということです。

*3:『交響組曲』の「LOVE」の後半部分はギターとピアノのソロによって奏でられていますが、劇中で使用されているオーケストラバージョンは後に発売された『BGM集』に収録されました。

*4:『交響組曲』に収録の「ルダ王女の恋」の後半部分の出だしのフレーズはバイオリンの演奏で始まっていますが、実際に使われていたのは『BGM集』等に収録されている同じ出だしのフレーズをピアノで演奏しているものです。

*5:曲名は「バーナード星の戦闘」

*6:曲名は「静かなる戦い」
…作品中では次元潜航艇よりずっと早く、第2話でアルファ星がダゴン艦隊の攻撃を受けるシーンに使われていますが。

*7:曲名は「FIGHTⅠ」

*8:曲名は「つかの間の安らぎ」
…『完結編』でアクエリアスのワープ阻止に一瞬だけ成功したシーンに使われていたのが印象深いです。

*9:『オリジナルBGMコレクション 宇宙戦艦ヤマトⅢ』(COCC-12873 95.09.21 ¥2,700)

*10:『1981-Ⅱ 宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 Part1』(COCX-37398 13.09.18 ¥2,500)
『1981-Ⅲ 宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 Part2』(COCX-37399 13.09.18 ¥2,500)
1枚目には第17話のガルマン・ガミラス本星までの音楽、2枚目には第18話のフラウスキー少佐による太陽制御作戦失敗以降の音楽が入っています。

機動戦士ガンダム

1.交響詩ガンダム

 この『機動戦士ガンダム』という作品、リアルタイムでは見ていません。当時はブラック部活をやっていたので、夕方のアニメを見るというのは不可能でしたから。金曜5時のサンライズのロボットアニメ枠の作品を見始めたのは『最強ロボ ダイオージャ』あたりからですね。*1
 中学時代はずっと部活をやっていたので、夜の7時台にやっている松本零士作品は見れても、夕方のアニメは全然知りませんでしたが、高校に入ってからは体育系の部には入らなかったので、いろいろと見れるようになりましたが。

 高校は奈良県西部*2にある高校に入学したのですが、その頃、なんかよく知らない『機動戦士ガンダム』とかいう作品がブームで、TV放映のフィルムを切り貼りしたような総集編の映画が公開されていました。ガンプラとかいうプラモデルも流行っていて、中学以来の友人が、学校の登下校の途中に模型店に立ち寄ったりしていたので、こんなロボットが出てくる作品なんだなと思ったりしていました。
 そのうち、普段は時代劇ばかりやってるような時間帯に毎日2本ずつ再放送がされ始め、とりあえず『ガンダム』という作品に触れることができました。作品そのものは置いといて、音楽に対して感じたことは「なんか乾いた音楽だなあ」ということでした。
 これは作品そのものにも言えることなのですが、一連の松本零士作品の中に絶えず夢とロマンを感じ続けて来た身にとって、『ガンダム』という作品は潤いの無い、砂漠のような存在に思われたのです。

 そんなわけで、『ガンダム』のサントラはとくに買う気にならなかったのですが、当時といえばレンタルレコード店が広がり始めた時代。通っていた高校の近くにも2、3の店がオープンしたので、とりあえず1枚借りてみたのが『交響詩 機動戦士ガンダム*3でした。
 それ以前のアニメ作品のサントラ盤は、これまでに取り上げて来たように交響組曲とか交響詩と題打ったものが多く、それに慣れ親しんで来た立場からするとこのアルバムこそが『ガンダム』という作品の音楽を集大成しているものに思われたのです。

 現代音楽の世界で「ブルジョワ的虚脱」*4という言葉が有って、20世紀になって音楽からハーモニーも旋律も律動も無くなってしまったと言われているようですが、『ヤマト』を始めとする松本零士作品の音楽に対して『ガンダム』の音楽に感じたのは、それに近かったように思います。戦闘シーンやメカ描写に使われる音楽は確かに格好良いのですが、それ以外のキャラクター描写等のシーンに使われる音楽はけっして心地好い音楽ではありませんでした。
 交響詩という形でアレンジされた『ガンダム』の音楽なら、その辺を巧く調整できているのではないかと一抹の期待もあったのですが……

  A1.眠りより
   2.珠玉の人
   3.大地を発って
   4.遭遇の宇宙
   5.ララア・ときめき

  B1.疾風のように
   2.女たちよ
   3.戦場空域
   4.ソーラ・パワー
   5.黎明

 サントラ盤はあまり聴いていないし、作品自身も長く見ていないので詳しいことは書けませんが……とりあえずTVシリーズや、これより後に作られた劇場版のサントラと聴き比べながら見ていきましょう。*5

 A1は長い静寂の中からティンパニーの音がフェードインしてくるところから始まり、次に「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって半世紀……」というナレーションのバックに流れる音楽のモチーフが展開されます。
 TVシリーズのサントラでは「長い眠り」の前半、劇場版のサントラでは「宇宙世紀0079」に相当する曲。これを聴けば一年戦争の世界が思い浮かんできます。中間部分で「戦いへの恐怖」の後半(劇場版では「ホワイトベース」の後半)の颯爽としたBGMのモチーフが穏やかに展開されているのが、割と自然に聴けてくるのが不思議。

 A2はよくわからないけど、戦場に向かうアムロの心情や決意を表わすのに使われた曲のモチーフを使っているように感じますけど、違ったかな。
 TVシリーズのサントラでは「平和への祈り」、劇場版のサントラでは「少年よ」に相当する曲ですが、前半部分が結構メロディアスな展開で、後半部分のモチーフの盛り上がりも良いですね。

 A3はガンダムが大地に立つ、という光景が想像できる音楽です。ただ格好良いだけの過去のロボットアニメの音楽に比べるとガンダムの存在感、重量感が現われていて好きなモチーフですが。
 サスペンス風の導入部が長々と続いて、やっと本題の曲に入るというあたりが焦れったいのは確かです。TVシリーズの「悲愴、そして決然と」でも同様の導入部ですが、こんなに長くはありません。劇場版の「悲しみを乗り越えて」の前半部はもうちょっと整理された感じになっていますが、こっちはメインの部分が途中でぶった切られるような編曲になっているのが釈然としない気分になります。

 A4はいよいよ戦場に出撃というイメージですが、ここでもガンダムというメカの重量感を巧く表現したモチーフが使われていますね。TVシリーズの「戦いへの恐怖」前半や、劇場版の「ホワイトベース」冒頭に使われているモチーフを大きく展開した曲ですが、逆に元のBGMの短さが意外に感じてしまいます。
 中間部分のバイオリンソロに近い音楽の意図がよくわからないのですが……『ガンダム』の音楽で何が一番気になるかと言うと、しばしば弦の不協和音が耳につくことですね。探せばきれいなストリングの音楽も多いことは確かですが、どちらかというとブラスの方が圧倒的に耳につきやすいので、弦の音と言うと頻繁に多用されているソロの音楽の方が目立ってしまうのですが……

 A5は挿入歌「きらめきのララァ」のオーケストレーション曲ですが、本編で耳慣れている音楽では無いので、何か違和感がありますね。おまけにメロディー自体を変えてる部分も。前奏と後奏で鉄琴の音が入る以外はストリングス主体で、まったくブラスが入らないのがこのアルバムでは珍しい曲です。

 B1は戦闘シーンの音楽。どちらかというと連邦軍側が快進撃している場面の音楽のようですが。TVシリーズの「戦場を疾風のように」の冒頭部分をイントロのように使って、メインの曲は「長い眠り」の後半、劇場版では「赤い彗星」の後半の曲です。
 この『交響詩』とTVシリーズ、劇場版それぞれのサントラを聴き比べてみると、相当に音の感覚が違います。TVシリーズはオーソドックスにドラムスを基本リズムに持ってきているのですが、『交響詩』ではそれをスネア系のパーカッションじゃなく、ティンパニーに置き換えてる感じです。そうすることで音に幅が出てるのは確かだけど、逆にリズムのキレが物足りない。これが劇場版になるとエレキベースが前面に出てきて、TVシリーズとも『交響詩』とも全く違った印象になってきます。

 B2は戦闘の合間の安らぎの音楽かな、という音楽ですが、よくわかりません。TVシリーズの「アムロの旅立ち」とか劇場版の「ぬくもり」あたりの曲をモチーフに使ってるのかと思っても、微妙に違ってるようだし。

 B3も戦闘の音楽ですが、より本格的にモチーフが展開されていますね。息詰まるスリリングな展開、単にガンダムの活躍と言うだけでなく相手有っての戦いというところが表現されているようです。
 連邦軍というかガンダム側の颯爽とした音楽がTVシリーズの「戦いへの恐怖」後半、劇場版の「ホワイトベース」後半の曲。それに対してジオン軍というかシャア側のスリリングな音楽がTVシリーズの「颯爽たるシャア」前半、劇場版の「悲しみを乗り越えて」後半の曲。この2つの曲を交互に展開させ、最後にガンダムの勝利で締めくくっています。

 B4は耳で聞く限りでは、圧倒的戦力を持って迫り来るジオン軍の脅威! という感じなんですが、実際にはどうだったんでしょう。あまり耳に馴染みのないモチーフなので……*6
 TVシリーズの「窮地に立つガンダム」や劇場版の「灼熱」に当たる曲ですが、なんかこのアルバムで一番オーケストラが生き生きしてるような感じを受けます。ああ、そうか。この曲は『スター・ウォーズ』で言えば「ダース・ベイダーのマーチ」*7に当たる曲なんでしょうね。

 B5は何でしょう? このアルバムのオリジナル曲か何かでしょうかね。TVシリーズの「宇宙」あたりがモチーフかとも思ったけど違うようだし、イメージ的には劇場版『哀・戦士』のラストで使われてた「やすらぎを求めて」に近いものを感じたりしますが……


 『ガンダム』の音楽を担当したのは故・渡辺岳夫*8松山祐士*9ですが、主にブラスの効いた戦闘シーンやメカ描写の音楽が松山氏で、それ以外の人物描写や状況描写の音楽が渡辺氏という感じですね。
 このアルバムを聴いてみると、松山氏の音楽は比較的ストレートにシンフォニック化されているのに、渡辺氏の音楽は素材のメロディを活かしたA2なんかは良いんだけど、どうも現代音楽的な前衛感覚の影響が幅を利かせているようで素直に聴けないんですね。もっとも作曲者からすれば、富野哲学を音楽にすれば*10こうなると言うのかも知れませんが……

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2.『交響詩ガンダム』の評判(2018年の再鑑賞に寄せて)

 そんなわけで、『機動戦士ガンダム』という作品の音楽を『交響詩ガンダム』から始めたわけですが、それは『宇宙戦艦ヤマト』の音楽を『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』から始めたのと同じぐらいの意識だったわけです。
 ところが、この『交響詩ガンダム』というアルバム、当のガンダムファンにはあまり評判が良くなかったようです。曰く「冗長なアレンジが多い」「リズムセクションが破壊されている」「主要曲を網羅していない」等々。

 確かにA1の冒頭部とか聴いてると「このアルバム、大丈夫かよ」と不安に駆られたりしますし、ドラムの音がティンパニーに変わっていて歯切れが悪かったり、そもそも主題歌「翔べ!ガンダム」のメロディなんが欠片も存在しません。
 しかし、改めて聴いて感じたのは、意外と真面目に「交響詩」という音楽を作っているなということです。

 ここでいう「交響詩」とはアニメ音楽のシンフォニック化に際しアルバムに冠されたものではなく、クラシック音楽でいうところの標題音楽としての「交響詩」です。本来は映像が主体の表現を支えることを目的とした劇伴音楽の素材それだけで、作品世界そのものを表現しようとしているのです。
 そこには音楽を説明してくれる映像もセリフも効果音も、歌曲としての歌詞すらありません。オーケストラが奏でる音楽自体がすべてを語る世界なのです。

 アニメ作品で「交響詩」というとまず『交響詩 銀河鉄道999』が思い浮かびますが、あれは単に映画用の劇伴音楽を繋ぎ合わせたものを「交響詩」と称しているだけで、標題音楽としての「交響詩」ではありません。
 アニメ音楽のシンフォニック化というとやはり代表的なのは『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』ですが、あれはあくまで劇伴音楽の素材をできるだけそのままの形で、表題の表現よりも音楽としての心地良さに重点を置いてシンフォニックにアレンジした感じです。確かに劇伴音楽そのものと比べると大胆過ぎるアレンジが施されてる部分がありますが、個々の曲は劇伴音楽としてのその曲以外を表現してはいません。

 じゃ、アニメ音楽のモチーフを使った「標題音楽」に比較対象はないのかというと、格好の作品があります。『宇宙戦艦ヤマト完結編』の後に羽田健太郎氏によって作られた『交響曲 宇宙戦艦ヤマト*11ですね。
 これは全4楽章構成で演奏時間が1時間にも及ぶ本格的な交響曲なのですが、各楽章にタイトルが付けられているという「標題音楽」の側面も持っています。ここでは劇伴音楽の素材は各楽章の音楽形式を構成する上でのモチーフでしかなく、各楽章の標題は楽章全体の音楽構成によって表現されているのです。
 まあ、『交響曲 宇宙戦艦ヤマト』はヤマト10周年記念という手間暇・金が掛かった一大プロジェクトとして作られているので、一介のラインナップアルバムに過ぎないこの『交響詩ガンダム』がそこまで本格的な標題音楽を目指していたとは思えませんが、ある程度は志向していたのは確かでしょう。それが故に、素材としての劇伴音楽そのものだけを目的として聴いてしまうと違和感が出て来るのです。
 もっとも、多くのファンが聴きたかったのは「交響組曲」的なポピュラーっぽいシンフォニックアレンジだったんでしょうけど。

 ガンダムの音楽も後の作品になると普段からオーケストラでシンフォニックな曲を作ってる作曲家が次々に起用されてくるので、こういう正面から「標題音楽」を意識したりすることなく、劇伴音楽をストレートに「交響組曲」なり「交響詩」にアレンジしたアルバムが出てくることになりますが、そういうアルバムとこの『交響詩ガンダム』のどっちが良いかというと、それは個人の好みでしかないでしょう。

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3.あとがき

 初出の連載時は本当に『交響詩ガンダム』しか聴いてない状態で書いてたのですが、さすがにそれはどうかという気がするので、今回は若干ながらサントラ盤の原曲に触れてみました。
 当時はこの『交響詩ガンダム』について、ガンダム音楽の集大成か否かってコメントのやり取りがあったのですが、当初はそのへんをまとめて新規の項目を作ろうかとも思ったのですが、最終的には現時点から聴きなおして、『交響詩ガンダム』というアルバムから受ける印象を元に、その意味合いを記事にしてみました。
 とはいえ、やっぱり『ガンダム』の音楽は自分にとってアウェイ感が半端ないなぁというのが正直な感想ですね。

 記事中で少し触れた『交響曲 宇宙戦艦ヤマト』ですが、元の連載中では扱っていないので、今回も扱うかどうかは未定です。そのかわりに以前に羽田健太郎氏の追悼として書いたものがありますので、よろしければ参照してください。

  羽田健太郎『交響曲 宇宙戦艦ヤマト』: 音盤皇女の劇伴日記
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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 95.01.15)

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ガンダム』ぐらい現行商品だろうと思ってたら、ガンプラと違って音楽関係は厳しそうですね。
交響詩 ガンダム
交響詩 ガンダム

最初の『ガンダム』の音楽をTVシリーズから劇場版まですべて収めたCD-BOX。『交響詩』も入っていますが少し古い商品なので入手の程は……
機動戦士ガンダム CD-BOX
機動戦士ガンダム CD-BOX

とか思ってたら、キングの直販サイト限定でハイレゾ音源やUHQCDの高音質盤で出ているようですね。まだ『交響詩ガンダム』だけで、サントラ盤までは行ってないようですが。

『UHQCD 交響詩「ガンダム」SYMPHONIC POEM GUNDAM』

まだ高音質化されてないサントラ盤。とりあえずアナログ時代のサントラ盤には未収録の曲も入っているTVシリーズの『総音楽集』。
TV版 機動戦士ガンダム 総音楽集
TV版 機動戦士ガンダム 総音楽集

こちらは劇場版の『総音楽集』。
機動戦士ガンダム 劇場版総音楽集
機動戦士ガンダム 劇場版総音楽集

*1:朝日放送での放送時間枠。当時はサンライズのロボットアニメと、東映戦隊シリーズの特撮番組が続けて放送されてました。部活も試験期間になると休みになるのですが、そういう時に放送されてたのが「再会母よ」とか「ククルス・ドアンの島」とかいう回ばかりなので、『ガンダム』に興味を持てという方が無理です。

*2:日本映画の斜陽時代で地方の映画館がどんどん消滅してた時期、かろうじて一般の劇場がある街だったかな。高校時代はこの街でいくらかアニメの映画を見ることができましたが、その後のレンタルビデオの隆盛で経営が思わしくなくなったのか、シネコンにシフトすることなく消滅したみたいです。

*3:交響詩 機動戦士ガンダム』(K25G-7001 80.09.05 ¥2,500)
現在手元にあるのは後に廉価版CDとして出たものです。(KICA-2005 91.03.05 ¥2,000)

*4:これは『ゴジラ伝説』の解説書の中で伊福部昭氏が寄せた言葉の中に用いられている語句なのですが、別に『ガンダム』の音楽が「ブルジョワ的虚脱」というわけではなく、『ヤマト』なんかの音楽が19世紀のロマン派の音楽にたとえるなら、『ガンダム』の音楽は20世紀の現代音楽に近い作りに感じられるという比喩として使っただけです。

*5:TVシリーズ
機動戦士ガンダム オリジナル・サウンドトラック』(KICA-2001 91.03.05 ¥1,942)
機動戦士ガンダム 戦場で』(KICA-2002 91.03.05 ¥1,942)
劇場版
『MOBILE SUIT GUNDAM・1』(KICA-2006 91.03.05 ¥1,942)
『MOBILE SUIT GUNDAM・2』(KICA-2007 91.03.05 ¥1,942)
機動戦士ガンダムⅡ 哀 戦士』(KICA-2010 91.03.05 ¥1,942)
機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』(KICA-2013 91.03.05 ¥1,942)
とりあえず用意したのは以上の6枚。近年出てる『総音楽集』とかまでは買ってません。

*6:一時期、ジオン軍MSメインのガンプラCMに盛んに使われていたので、そっちの方で耳に馴染んでしまった感があります。

*7:エピソード5『帝国の逆襲』のタイトルマーチ。

*8:アニメのみならず、TV番組の音楽を広く手掛けられていたようです。氏自身メロディ作家として意識されておられたようで、劇伴よりも主題歌作品がよく知られていますね。『巨人の星』『アルプスの少女ハイジ』や『キャンディキャンディ』はじめ、アニメソング作家としては第1人者と言って過言は無いでしょう。
関西テレビが氏の追悼番組としてそれらのテーマソングを集めた番組を放映したことがありましたが、改めてその偉業に触れることができました。

*9:渡辺岳夫氏の弟子にあたり、数多くの渡辺岳夫氏の曲の編曲を担当した他、サンライズのロボットアニメなどで共同で劇伴を作曲してます。残念ながら先年、自宅の火災で亡くなられました。

*10:1983年に発行された『STARCHILD HANDBOOK』には「アニメ音楽対談」と題して渡辺岳夫氏とすぎやまこういち氏がこの辺りのことを語っている記事が載っていて興味深いのですが、こんな販促用のブックレットをいまだに手元に残しているような人はいないでしょうね。

*11:交響曲 宇宙戦艦ヤマト』(CF-7002 84.09.21 ¥2,800)
CD化の遅かったヤマト関連のアルバムの中では『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト 音楽集』、徳間の『宇宙戦艦ヤマト Best Collection』とともに80年代にCD化されていた稀有な存在。後に再発売もされ、『復活篇』の際の再演奏盤もありますが、現在はYAMATO SOUND ALMANACで出てる初演盤(COCX-37409 COCX-37409 ¥2,500)が入手しやすいでしょう。

ヤマトよ永遠に

1.ヤマトよ永遠に 音楽集Part1

 第1作目のヤマトの音楽が当時のアニメ作品の中では画期的な使われ方をされ、それが以降の作品に多大な影響を与えたことは、今更取り立てて書くこともないところですが、ヤマトのシリーズの中でもその音楽の傾向は作品によって大きく変化しています。そしてシリーズ中、その音楽依存度の最も高い作品は『ヤマトよ永遠に』と言えるでしょう。
 音楽に注目されたと言っても、第1作・第2作のヤマトでは音楽依存度はあまり高く有りません。とくに第1作では同じ音楽がある時はヤマト側のテーマとして流れ、ある時はガミラス側のテーマとして使われるなど、明確なイメージに基づいて作られた音楽とは思えないものがしばしば見られます。
 第2作の音楽ではテーマこそ明確に区分されていますが、大編成オーケストラによるシンフォニー版のアルバムが出ている反面、実際の劇伴の方は他のアニメ作品と変わらない小編成の演奏が大半を占めています。
 それらに比べると『ヤマトよ永遠に』では、アルバム収録曲と劇伴使用曲は必ずしも同じでは無いけれども、劇伴にも重厚な音楽が使われ、さらに作品自身における音楽の比重も飛躍的に大きくなっています。

  A1.新宇宙
   2.未知なる空間を進むヤマト
   3.重核子爆弾
   4.愛し合う二人
   5.傷ついた戦士たち
   6.制圧される地球
   7.別れ

  B1.暗黒星団帝国
   2.サーシャ(澪)
      出逢い
      幸せ
      わかれ
   3.のこされて
   4.黒色銀河
   5.キーマン少尉

 『ヤマトよ永遠に』はサントラ盤が2枚出たのですが、1枚目*1の方はどちらかというとイメージアルバムという感じで、実際に劇伴に使われたモチーフの基本形の音楽をアルバム用の演奏で収録されている感じですね。

 A1はまさにイメージテーマであり、実際に使われたのは2枚目のアルバムに収められている曲の方です。ヤマトが始めてたどり着く未知なる宇宙というイメージの曲なんでしょうけど、あまりインパクトは無く、モチーフとしては『ヤマトよ永遠に』の音楽よりも後に出た『ファイナルに向けての序曲』に使われていたアレンジのほうが極めて強烈ですね。

 A2はヤマトのメインテーマの新アレンジですが、テンポがアレグロ並に速くなり、演奏の重厚さと合わせて、宇宙空間を爆進するヤマトのイメージがよく現された名曲です。中間補給基地攻撃シーンと暗黒銀河でのパトロール艦隊との戦闘シーンに使われていましたが、以降の作品でもヤマトが危機を突破して反撃していく場面などによく使われていますね。*2

 A3は「白色彗星」や「自動惑星ゴルバ」と並ぶ、この作品での敵の中心となるテーマなのですが、劇伴では場面場面に応じてアレンジされたものが使われていてアルバム収録バージョンそのものは極一部でしか用いられていません。また使用箇所が前半のシーンがほとんどなので、曲のイメージは結構いいテーマなのですが、それが最大限有効に利用されていたのかどうかは疑問です。

 A4はいわば愛のテーマですが、「大いなる愛」のような大上段に構えた宇宙愛のテーマなどではなく、古代と雪の個人愛のテーマですね。地球有人機基地で二人が再会したシーンに使われていましたが、徳永二男氏のヴァイオリンに羽田健太郎氏のピアノというお馴染みの演奏家の奏でるメロディーが宮川節を聞かせてくれます。この曲をヴァイオリンをベースにマイナーアレンジしたのがA6です。

 A5は元ヤマトの乗組員たちが英雄の丘に集まるシーンの音楽ですが、黒色艦隊の奇襲を受けて制圧された地球の悲惨さを奏でる弦楽器の演奏が秀逸です。ヤマトのシリーズの中でも地球そのものの悲しみを描いた音楽というのは他には見当たらないこともあり、極めて印象的です。

 B1は暗黒星団帝国というよりも、地球に侵攻してきた黒色艦隊のテーマという感じです。シンセサイザーのメロディをベースに、無機質で機械的な敵側の雰囲気を作り上げています。A3同様、劇伴では様々なバリエーションの曲として用いられていますが、このB1に近い形では奇襲直後に敵の戦力が姿を見せはじめるあたりに使われています。

 B2は新登場のキャラクター、サーシャのテーマ曲ですが、初登場の初々しさをギターが、古代へのほのかな愛情をピアノが、そして一人敵母星に残る悲しみをヴァイオリンが奏でます。今までのヤマトには見られない個人キャラクターへのテーマ曲ですが、宮川氏らしい軽妙なタッチが生きている曲です。

 B3は地球に残された雪と敵側のアルフォン少尉の絡みのシーンに用いられていた曲ですが、カザン司令が地球連邦政府に乗り込んできて地球の完全制圧を宣言するシーンに使われているのも印象的です。この曲はどちらかというとアルフォン側の心情を表わしたテーマという感じで、重核子爆弾攻防戦で雪とアルフォンが再会したシーンに用いられていたギターソロがメインの曲もB5に収録されています。

 B4はヤマトが暗黒星団帝国の母星に向かう途中に立ちはだかっていた黒色銀河のテーマですが、少し使われただけなので印象には薄い曲ですね。スローテンポで男声コーラスのかかった曲なのですが、この辺りの物語のテンポが速いため、効果的な使われ方では無かったと思います。

 この1枚目のサントラはオーソドックスな作りで新しいヤマトの音楽を提示しており、それだけに2枚目に期待が持たれたのですが……

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2.ヤマトよ永遠に 音楽集Part2

 というわけで、引き続き2枚目*3のサントラ盤です。

  A1.ヤマトよ永遠に -サーシャ(澪)に捧ぐ-
   2.地球攻防戦
   3.悲恋
   4.新宇宙Ⅱ(二重銀河)
   5.信じあう二人

  B1.母星(デザリアム)の崩壊
   2.澪(ミオ)のマーチ
   3.大決戦
   4.新銀河誕生

 A1は『さらば宇宙戦艦ヤマト』での「序曲」や『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』での「ヤマト新たなる旅立ち」のように、劇伴のモチーフを寄せ集めてシンフォニック・アレンジしたものですが、《サーシャ(澪)に捧ぐ》という明確な副題が与えれれていることからもわかるように、単なるモチーフの寄せ集めではなく、1個の音楽として完成度の高いものになっています。そういう意味ではむしろ『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』の世界に近いのかもしれません。

 A2は二つの部分に分かれますが、前半部は地球上空から敵兵が降下してきて地上に奇襲を掛けてくるシーンのスリリングな音楽。そして後半部は重核子爆弾占拠のために反撃をかける地球パルチザンの勇壮な音楽になっています。いわばヤマトとは別の舞台での戦いの音楽の感じですね。

 A3はこの作品中で最も印象に残るシーン、高速連絡艇に乗り遅れた雪が地球に取り残されるシーンに用いられたテーマ曲です。

 A4は黒色銀河から抜けたヤマトの前に広がる白色銀河と、ヤマトの後方に広がる黒色銀河との壮大なパノラマシーンに用いられた曲です。白色銀河の圧倒的な広がりを表わす音楽がしばらく流れた後「新宇宙」のモチーフから始まり、黒色銀河を表わす男声コーラスが所々に入った後、オーケストラの大編成で「無限に広がる大宇宙」のモチーフが奏でられるのはまさに圧巻に尽きます。劇場公開時はこのシーンからシネスコの4chサウンド*4に切り替わったわけですから、その効果のほどは想像できますね。

 A5は1枚目の「愛し合う二人」のテーマを発展させたものですが、ヴァイオリンをより前面に出して、激しい展開を聞かせます。雪がアルフォンから重核子爆弾の秘密を聞こうと覚悟を決めるシーンに使われていました。

 B1はヤマトが敵母星に到着してから波動砲の誘爆で敵母星が崩壊し、中から要塞に囲まれた母星の本体が出現するシーンまでの音楽を綴っています。状況音楽みたいなものばかり入っているわけですが、別個の曲はそれぞれ独立して扱って欲しいとか、実際の劇伴との演奏の違いが大きいとか、言い出せば切りはないですけど、この曲はまだ良いです。
 ヤマトがワープアウトした瞬間、目の前に現われたニセ地球に対する衝撃とか、スクリーンに映し出される各地の遺跡のバックに流れた音楽とか、それなりに再現してくれています。デザリアムの本体が現れる辺りの音楽から少し怪しくなって来るんですけどね。

 B2はサーシャのモチーフをマーチ風にアレンジしたものですが、本編では未使用です。ここに入っているところを見ると、一人残った敵母星の中で活躍するサーシャのテーマか何かかもしれませんね。

 B3が問題です。ヤマトのデザリアム突入から二重銀河の崩壊までを音楽的に再構成したものですが、実際の劇伴とは全然違ったものになっています。ヤマト突入時のメインテーマは本編に使われたものの方が遥かに軽快なアレンジになっています。水晶都市のテーマは許容範囲だとしても、その後はまったく勝手に音楽を作っているだけですね。
 オペラやミュージカルのような音楽を作りたいという作り手の意図が感じられますが、それはそれとして、サントラ盤には劇伴に準じたものを収録してほしいものです。

 B4はラストでサーシャの幻影が現れ、ヤマトにメッセージを伝えてスターシャのところに帰っていくシーンに使われていた曲です。終盤のスタッフクレジットのところで流れていたのは別演奏のものだと思われますが、単にテープ編集しただけかもしれません。
 まさに大団円という感じの曲ですが、ヤマトでは他にこれだけの大団円を迎えた作品はないので、やはりシリーズ中でも強く印象に残る曲ですね。「黒色銀河」、「新宇宙Ⅱ」、そして「新銀河誕生」と、今回はコーラスが効果的に使われています。

 結局、この2枚目のアルバムは1枚目の音楽よりも具体的な音楽を収録していることは確かなのですが、それを通り越してしまった困った曲もあって、どこか中途半端なんですね。B3なんか入れるぐらいなら、未収録の重要な曲*5が他にいくらでもあるはずなんですけどね。
 それでもA1は聴き応えある曲ですし、A2~4&B4の重要な曲はちゃんと収録されていることは評価するべきでしょう。それにB1も、こういう形でないと収録は有り得なかった曲かもしれません。

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3.映画後半部の音楽について(2018年補足)

 前述のように、映画の後半部、主にニセ地球への到達から波動砲による崩壊のシーン、ヤマトがデザリアムに突入してからの水晶都市との戦いの部分の音楽は、サントラ盤収録曲と実際のBGMで大きく異なっています。

 90年代に発売されたBGM集*6では、テーマとして明確な音楽のバリエーションをまとめたいという西崎プロデューサーの意向からか、黒色艦隊の曲「巨大戦艦グロデーズ」、地球側の起爆装置が解除されたという雪からの報告とデザリアムに残ったサーシャを巡る緊迫したシーンの曲「デザリアム攻防戦」、ヤマトがデザリアムに突入する際の曲「ヤマト大決戦」が収録されましたが、ニセ地球関係と水晶都市関係の状況音楽はいっさい収録されませんでした。

 その後、2000年代に入ってETERNAL EDITIONのシリーズで『ヤマトよ永遠に』は『新たなる旅立ち』とセットの2枚組*7で出ましたが、こんどこそ後半のBGMの完全収録をという期待に反して、そこには既存のサントラ盤の曲を編集して収録されているだけでした。曰く「4ch用に録音された後半の音楽をCDでそのまま再現することが出来ないから、将来DVD-AUDIOなりSACDで出す時まで待て」と……。
 そのDVD-AUDIOとかSACDというメディアは音楽ソフトのメディアとして定着することなく消えていったのは言う必要もないでしょう(まあ『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』とか『星巡る方舟』はBD-AUDIOという似たようなメディアでサントラ出したりしてますが)。別に4chステレオの再現を望んでいるわけではありません。2chにトラックダウンしたもので構わないのです。現にドラマ編のレコードなりビデオパッケージは2chの音源で出てるわけです。

 そんなわけで2010年代に出て来たYAMATO SOUND ALMANACのシリーズのBGM集*8には三度目の正直としての期待を込めていましたが、さてどうだったのでしょうか?
 今回はちゃんと4chのマスター音源からトラックダウンされたBGMが収録されたようです。毎度毎度あの曲が無いこの曲が無いでヤキモキさせられてきた『ヤマト』のCDでも一番の泥沼だった『ヤマトよ永遠に』の音楽にもようやく一段落付いたというところでしょう。
 結局のところ、『音楽集』収録曲と実際のBGMは全くの別曲というわけではなく、『音楽集』の曲の一部が別テイクなり、ミキシング違いなりのバージョンで本編で使われていたということですが、劇中での効果音等の重ね合わせやスキャットの挿入箇所の違いなどによってかなり印象の違う音楽に感じられていたことは確かです。

 YAMATO SOUND ALMANACシリーズの『ヤマトよ永遠に BGM集』に収録された4chマスター音源由来の曲は次の通り。

   17.二重銀河
   18.二百年後の地球
   19.遺跡群
   20.サーダ
   28.母星(デザリアム)の崩壊
   31.水晶都市

 このうち18~20、28が『音楽集Part2』のB1「母星(デザリアム)の崩壊」に相当する部分で、31がB3「大決戦」の中間部分。「大決戦」の冒頭は「ヤマト大決戦」の別アレンジで、後半は完全にオリジナルのイメージ曲という感じです。

 「二重銀河」がミキシング違いというのはちょっと気付きにくいところですが、4ch音源の方はオーケストラよりもシンセサイザーの方に重点を置いたミキシングになってるということのようです。
 「二百年後の地球」は『音楽集Part2』に収録の演奏よりも衝撃性を強調してるアレンジでまとめられています。
 黒色艦隊を撃った波動砲の余波でニセ地球が崩壊していくシーンの「母星(デザリアム)の崩壊」ですが、『音楽集Part2』と劇中のBGMで一番違いが大きいのは悲鳴のようなスキャットの挿入されるタイミングなのですが、この悲鳴のようなスキャットはアフレコの後から挿入されたものということで収録されたBGMに入ってないのはちょっと残念かな。(普通は無い方が好ましいんでしょうけど、『音楽集Part2』の曲を聴き慣れてると入ってる方が自然に思えてしまうので)

 「水晶都市」はデザリアムの人工惑星内部に突入したヤマトの前にイガグリのような水晶の針が突き出した人工都市が現れるシーン曲ですが、その部分だけなので割と短いシンセサイザー主体の曲。『音楽集Part2』のB3「大決戦」ではその後に長々とオリジナルの曲が展開されるので映画のBGMもそれなりにありそうな気がするのですが、意外とそういう大掛かりな音楽は使ってないのですね。
 この曲以降、ヤマトが波動砲撃って二重銀河が崩壊するまでに流れる曲は、山南艦長が死ぬ時の「悲愴なヤマト」とサーシャが聖総統に殺される時の「サーシャ(澪)~わかれ」ぐらいで、音楽てんこ盛りのこの映画にしてはドラマ主体の地味な部分になっています。*9

 ちなみに、この『BGM集』に収録されてる「巨大戦艦グロデーズ」は、冒頭の迎撃ミサイル発射シーンに用いるための2ch音源のバージョンで、映画の黒色艦隊のシーンに使われていた4ch音源のバージョンはYAMATO SOUND ALMANACシリーズの『YAMATO MUSIC ADDENDUM』*10に収録されてたりしますが、ミキシングによる音の定位の違いぐらいだと思われます。

 まあ、そんなこんなで泥沼の『ヤマトよ永遠に』の音楽もようやく全貌を聴けるようになってきたわけですが、いったい何十年掛かってるんだよというところですね。*11

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 94.12.31) 

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まずはオーソドックスな音楽集を2枚。YAMATO SOUND ALMANACシリーズで出てる復刻盤。
YAMATO SOUND ALMANAC 1980-I「ヤマトよ永遠に 音楽集 PART1」
YAMATO SOUND ALMANAC 1980-I「ヤマトよ永遠に 音楽集 PART1」

YAMATO SOUND ALMANAC 1980-II「ヤマトよ永遠に 音楽集 PART2」
YAMATO SOUND ALMANAC 1980-II「ヤマトよ永遠に 音楽集 PART2」

1990年代に出た最初のBGM集。これは2000年代に入ってからの再発売盤。
オリジナルBGMコレクション ヤマトよ永遠に
オリジナルBGMコレクション ヤマトよ永遠に

2000年代のETERNAL EDITIONの暗黒星団帝国編2枚組。『ヤマトよ永遠に』に関しては古代たちがヤマトに到着した時の音楽等、若干の新規収録曲がある以外は既存の音源を再編集したり等の収録なので、ちょっと期待はずれ。
ETERNAL EDITION File No.5&6「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」「宇宙戦艦ヤマト・ヤマトよ永遠に」
ETERNAL EDITION File No.5&6「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」「宇宙戦艦ヤマト・ヤマトよ永遠に」

2010年代のYAMATO SOUND ALMANACシリーズのBGM集。後半の4ch音源の曲も含め『音楽集』に未収録の曲はほぼ網羅されてる決定盤。
YAMATO SOUND ALMANAC 1980-IV「ヤマトよ永遠に BGM集」
YAMATO SOUND ALMANAC 1980-IV「ヤマトよ永遠に BGM集」

YAMATO SOUND ALMANACシリーズの追補盤。オールナイトニッポンのラジオドラマ版にのみ使われた音源とか、『ファイナルへ向けての序曲』のナレーションとSE抜きの音楽のみの音源とか、過去のBGM集やETERNAL EDITIONに収録されていた本編未使用曲とかが入ってる。
YAMATO SOUND ALMANAC 1974-1983 YAMATO MUSIC ADDENDUM
YAMATO SOUND ALMANAC 1974-1983 YAMATO MUSIC ADDENDUM

*1:『ヤマトよ永遠に 音楽集Part1』(CQ-7051 80.07.10 ¥2,300)
90年代の一斉CD化の際に『音楽集Part2』と2枚組でCD化されました(COCC-12230~31 95.01.01 \5,000)。現在はYAMATO SOUND ALMANACのシリーズで1枚の単品で出ています(COCX-37392 12.11.21 ¥2,500)。

*2:厳密に言えばこの音楽集に入ってるバージョンが使われているのは中間補給基地のシーン。黒色銀河での戦闘シーンに使われたのはBGM集に収録されている若干アレンジの異なる「ヤマトの反撃」。さらに『宇宙戦艦ヤマトⅢ』で最終回OP等に使われたのは「ヤマト飛翔」というまた別のバージョンらしいです。

*3:『ヤマトよ永遠に 音楽集Part2』(CQ-7052 80.09.10 ¥2,300)
90年代の一斉CD化の際に『音楽集Part1』と2枚組でCD化されました(COCC-12230~31 95.01.01 \5,000)。現在はYAMATO SOUND ALMANACのシリーズで1枚の単品で出ています(COCX-37393 12.11.21 ¥2,500)。

*4:この作品ではワープディメンション方式と言って、ビスタサイズのモノラルから突然シネマスコープの4chサウンドに切り替わるシステムが採用されていました。
現在のDVD等ではオリジナルの画面サイズを再現するようになってるのですが、悲しいことに一般的なテレビ画面のサイズがビスタサイズに近い16:9なのでシネスコがレターボックスになってしまうため、縦方向が狭くなってしまいます。前半のビスタサイズの部分もそれに合わせてるので四方が額縁という残念なことに……

*5:例えば、古代たちがイカルスのヤマトに乗り込んだ時の曲とか、敵母星から発進したヤマトが黒色艦隊に襲われるシーンの曲とか……。後者(「巨大戦艦グロデーズ」)は90年代に出たBGM集に収録されましたが、前者(「俺たちのヤマト」)は2000年代になってからETERNAL EDITIONでようやく聴けるようになりました。

*6:『オリジナルBGMコレクション ヤマトよ永遠に』(COCC-12872 97.09.21 ¥2,700)

*7:宇宙戦艦ヤマト ETRENAL EDITION FILE No.5 & 6 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち/ヤマトよ永遠に』(COCX-31157~8 00.12.30 ¥3,990)

*8:『YAMATO SOUND ALMANAC 1980-IV ヤマトよ永遠に BGM集』(COCX-37394 13.05.22 ¥2,500)

*9:あくまで音楽面から見ただけの感想です。

*10:『YAMATO SOUND ALMANAC 1974-1983 YAMATO MUSIC ADDENDUM』(COCX-39257~9 15.10.28 ¥4,500)

*11:とはいえ、主題歌「愛よその日まで」のB面に収録されていた布施明版「銀河伝説」がいまだにCD化されていないという致命的な現実。『松本零士音楽大全』にも『ヤマト・ザ・ベスト』にも収録されなかったというのは、何か根本的な重大問題でも……

地球へ…

1.1980年代の初めに

 今回からいよいよ1980年代に入るわけですが、この10年間での最大の事件は何と言ってもアナログレコードからCDへの転換ということになるでしょうね。80年当時、まさか10年後にレコードが消え去っているということなど、全く予想すらできませんでしたから。*1
 CDが登場したのが82年秋。アニメのタイトルが揃い出したのは85年ぐらいからだと思います。88年にはCDの生産数がLPを上回り、翌89年が終わった時点で、一部の特殊なものを除いてアナログ盤の新譜が出なくなってしまいました。
 ひとつの文化を担ったメディアが、こうも簡単に他のものに置き換えられてしまうのか、それを思った時、背筋がぞっとしました。この80年代はもうひとつ忘れられないメディアの交換があって、長くアマチュア映画の担い手であった8mmシネカメラが8mmビデオに取って代わられてしまったのですが、これらは単なる工業製品の規格変更ではなく、そのメディアによって培われて来た文化の破壊に等しいのではないかと、当時は複雑に感じていました。*2

 CDの登場はアニメ・サントラ盤の作りにもかなりの変化をもたらしましたが、それはまた先の話。80年代も最初のうちは70年代の延長という感じですね。
 ……ということで、今回は『地球へ…』です。

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2.交響組曲 地球へ…

 この当時、中学生時代の頃、マンガと言えば『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ)とか『すくらっぷ・ブック』(小山田いく)など、チャンピオン連載の作品を幾つか読んでいたぐらいで全然、流行のマンガも知らず*3、ましてや少女マンガなどというものには縁がありませんでしたから、竹宮恵子という作家を知ったのは、この『地球へ…』と後の『アンドロメダ・ストーリーズ』によってでした。そして後にも先にもこの2作品の原作者と言う以外の存在として感じたこともありませんが、かなり強い印象を受けています。

 正直言って、この作品の存在を知ったのは公開当時ではありませんでした。アニメ雑誌を読んでるわけでもなく、TVもほとんど見ていないし、近くに映画館があるわけでもない……ということで、当時は存在すら知りませんでした。
 この作品を知ることになったのは、この年の夏に出た『SF、アニメ、サスペンス映画全曲集』*4という映画音楽のオムニバス盤の中に主題歌のインストゥルメンタルが入っていて、その軽快なメロディーに何か惹かれるものがあったからです。
 作品自体は数年後にTV放映された時に見ました。この時驚いたのは、実際の劇伴は主題歌と全然違って重厚な映画音楽だったことです。それもそのはず、いま思えば、音楽の担当が日本映画音楽界の重鎮、佐藤勝氏だったのですから。
 もっとも当時は佐藤氏の名前も知らず、ただ実写の映画で聞き覚えのある感じの音楽だな、とぐらいにしか思いませんでしたが。

 サントラ盤*5を中古レコード店で購入したのはかなり最近です。買ったすぐ後でCDが出たような記憶がありますから。『地球へ…』の音楽は気にはなっていたけど、新譜店ではすでに見掛けることもなく、当時はまだ中古レコードというものが不安で、新譜オンリーという純潔を貫いていました。ふっきれたのは自分がCDに切り替え、同様にCDに切り替えた近くのレンタル店から何枚かのアニメLPを引き取ってからですね。
 例によって「交響組曲」と名乗っていますが、別にシンフォニー・アレンジされたアルバムでは無いようです。今回は作品自体、あまり見たことがありませんので、簡単にいきます。

 

  A1.地球へ…
   2.遥かなる憧憬の地
   3.目覚めの日
   4.眠れる獅子…ミュウ
   5.苦難への旅立ち
   6.アタラクシアの若者達
   7.新しい生命の賛歌

  B1.宿命の二人
   2.メンバーズ・エリート キース・アニアン
   3.燃える惑星ナスカ
   4.星の海の闘い
   5.ジョミー・マーキス・シン
   6.友情の勝利
   7.愛の惑星

 

 ダ・カーポの歌う『地球へ…』『愛の惑星』はそれぞれ小田裕一郎*6ミッキー吉野*7の作曲で、好きな曲でもありますが、佐藤氏の劇伴とは全く別個の存在ですのでパスします。

 A2はいわば遥かな地球のテーマという感じですね。ストリングスの奏でる穏やかで雄大な情景に、人間の営みを奏でるブラスの音。何か西部劇で荒野の真ん中を旅している時にでも流れそうな音楽ですが、宇宙もののSFがスペースオペラと言われるように、案外そういうイメージなのかも知れません。
 A3は未知のものに出会う不安を表わしたかのような音楽ですね。ベースを奏でるのが無機質なリズムから、不安げな旋律に変わり、最後にまたリズムに戻ってくるのが印象的です。
 A4は前曲に続いて悲しげな主人公ジョミーのテーマが強めに展開されますが、後半部分では和らぐように盛り上がり、佐藤氏独特の優雅でシンフォニックなメロディーが現れます。
 A5は『日本沈没*8の終曲などを髣髴させる荘厳な音楽が聴けます。いわば代表的な佐藤メロディーですね。
 A6はタイトルの割には暗い深刻な曲です。木管を尺八のようにかすれさせるような使い方をしてるのは、黒澤作品の担当が長かった佐藤氏らしいところかもしれません。

 A7の前半はいわば愛のテーマです。一般のアニメの愛のテーマというと大層な音楽になるのですが、ここは現実的にささやかな感じで弦楽器が美しく奏でています。これまた『日本沈没』などでも似たようなメロディーが聴けるので佐藤氏のレパートリーの一つかもしれません。
 A7の後半はコミカルな感じの音楽ですが、この手の音楽を聴くと怪獣島のミニラの顔を思い出してしまうのは特撮ファンの悲しさかな。

 

 続いてB面。
 B1はA5を引き継いだ感じでいかにも佐藤氏という感じの音楽ですね。木管とストリングスによる穏やかな調べが印象的です。
 B2は敵役キース・アニアンのテーマを集めた感じですが、影のジョミーというべきキースの成長などをうまく感じさせてくれる曲です。ジョミーの曲に比べると迷いがなくストレートな感じが特徴かな。
 B3はミュウたちの住む惑星の破壊されるシーンの音楽ですが、必要以上に大仰な音楽ではなく、それでいて悲しみなどの感情も感じさせる曲になっています。悲劇を伝えるドキュメンタリーの音楽ってイメージに近いのかな。
 B4は戦闘のテーマですが、単調なメロディーのくり返しで淡々と描いているという感じですね。佐藤氏の音楽と言うことで時代劇映画の合戦シーンのような感じがしないでもありませんが。後半はそれなりに盛り上がってきます。テンポが早いボレロって感じかな。
 B5は主人公のテーマですが、重厚で少しジャズっぽい感じのアレンジの曲です。主人公のテーマと言っても、その心の奥にある深い悲しみというか運命の重みというものをしみじみと感じさせてくれます。力強いサックスが印象的。
 B6は言うなれば大団円の音楽が入るところなのですが、盛り上がるどころか、淡々と短調系の音楽が続いていますね。いつ盛り上がるのかと思っているあいだに『愛のプラネット』が掛かり始め、そのまま終わってしまうという感じです。この映画の恩地日出夫監督自身も実写方面の人らしいので、その関係かもしれません。

 

 いわゆるアニメ的な盛り上がりの音楽を期待する人には物足りなさがあるかも知れませんが、佐藤氏の実写映画の音楽に比べるとやはりアニメの音楽を意識している部分も見受けられます。
 日本映画を代表する映画音楽作家といっても佐藤氏の作品でレコード化されているものは往年の作品でも限られたものだけですし、増してやレコード発売を意識してレコーディングされたものは『日本沈没』のシングル盤など、ほとんど指に数えるぐらいしかないのではないかと思われます。そういう中でステレオ録音でサントラ盤が出されている『地球へ…』は佐藤氏の音楽に触れるには絶好のアイテムのひとつと言えるのではないでしょうか。

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3.佐藤勝氏

 黒澤明七人の侍』などを手掛けた音楽家・故早坂文雄氏の唯一の門弟で、映画音楽を中心に作曲活動を行っています。手掛けた映画は実に300本以上。多い年は2週間毎に1本作っていたこともあるそうです。もちろんTVドラマも手掛けていらっしゃるようです。
 師・早坂氏から引き継いで『用心棒』を始めとする黒澤映画の音楽を手掛けたことで知られていますが、馴染みの深いのは『ゴジラの逆襲』を手始めとする一連の特撮映画の音楽でしょう。
 あまり昔の映画を知らないものにとって佐藤氏の音楽といえば『日本沈没』であり『ゴジラ対メカゴジラ』であったりするわけですが、『日本沈没』では荘厳なオーケストラ曲を奏でる反面、『ゴジラ対メカゴジラ』では伊福部音楽とは違った軽快なメカゴジラのテーマを聴かせてくれます。*9

 

 まさか昭和30年の『ゴジラの逆襲』を手掛けた人がいまだに現役で作曲活動をしているとは思っていなかったので、数年前のTBS系の正月時代劇で耳慣れた感じの音楽を聞いた時には驚きでした。*10
 1993年の伊丹映画祭での「ゴジラ生誕40周年記念映画音楽コンサート」にて指揮される姿を最前列真ん中の指揮者に一番近い席で拝見させていただきましたが、まだまだ現役で音楽を作り続けていって欲しいものです。*11

 

 日本映画の最盛期から音楽を作り続けている方なので、レコーディングは当時はまだ、フィルムに合わせて演奏して行っていたようですが、『地球へ…』では製作が間に合わず、シナリオを読んだだけで音楽だけ先行して録音されたようです。だから従来の佐藤氏の作品と比べるとイメージ音楽的な感じがあるかもしれませんね。
 佐藤氏によるとTVドラマと映画音楽の違いは、走っている人に対してスピード感のある音楽を付けるのがTVで、なぜ走っているか考えさせるのが映画音楽だそうですが、『地球へ…』の音楽はどうでしょうか・・・

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(記事初出 ニフティサーブ・アニメフォーラムマガジン館 94.12.11)

 

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廉価盤でCD化された『交響組曲』。すでに高騰化してますが……
〈ANIMEX 1200シリーズ〉(5) 交響組曲 地球(テラ)へ・・・
〈ANIMEX 1200シリーズ〉(5) 交響組曲 地球(テラ)へ・・・

リメイク版のTVシリーズの頃に便乗して出た完全版サントラ。『交響組曲』とダ・カーポによるイメージアルバムの復刻に加えて、劇中のBGMを全曲収録。
ETERNAL EDITION2007 劇場版 地球へ・・・
ETERNAL EDITION2007 劇場版 地球へ・・・

*1:昨今はアナログ盤への回帰ブームとかで新規にプレスされるアルバムも出ているようですが、新譜のターゲットとなるメインの商品にはなっていないので、商業規格的には死んだといって構わないでしょう。手元にある一番新しいアナログ盤は「ハレ晴レユカイ」(2007年)だったりしますが……

*2:その8mmビデオもとっくに無くなってるし、オーディオの方も録音できるメディアがカセットテープからMDに変わったのも今は昔、そのMDも無くなってしまいました。昨今は短期間で新たな規格が生まれては消えて行くので、その規格のメディア商品を買っても短期間で使えなくなってしまう危険が高くなっています。これをパッケージ商品のメディアリクスと名付けたいと思いますが、パッケージ商品が売れなくなってるのはこれが一因といって良いでしょう。

*3:漫画など買ってもらえる家庭ではなかったので、『少年ジャンプ』などの漫画雑誌を手にしたのは自分の自由に使える小遣いがもらえるようになった小学校高学年ぐらいから。『サーキットの狼』が連載され、スーパーカーブームが起こってた頃です。『こち亀』の連載が始まったのも小学校高学年の頃だったかな。

*4:『SF、アニメ、サスペンス映画全曲集』(KW-7283~4 80.--.-- ¥4,000)
オリジナル音源ではなく、電子系楽器による再演奏のオムニバス盤。『スターウォーズ』『スーパーマン』や『宇宙戦艦ヤマト~序曲~』というのにつられて買ったアルバムですが、『惑星ソラリス』や『ファイナル・カウントダウン』の音楽に出会えたのが嬉しかったですね。

*5:『交響組曲 地球へ…』(CQ-7041 80.--.-- ¥2,300)

*6:しばしばアニメのヒット曲を手掛けていらっしゃいますが、印象深いのは『クリィミーマミ』の「LOVEさりげなく」でしたね。

*7:タケカワ・ユキヒデ氏と並んでゴダイゴのヒットメーカーですが、タケカワ・ユキヒデ氏ほど印象は強くないですが、アニメソングを幾つか手掛けてらっしゃるようです。

*8:小松左京原作の1973年版の映画。主演が仮面ライダー・本郷猛の藤岡弘だったりするのが今となっては意外。往年の東宝特撮っぽいクソ真面目なリアリティな本編演出が娯楽映画というよりドキュメンタリーのようなテイストを醸し出してる傑作。2006年のリメイク版はまったく別物ですな。

*9:ゴジラ FINAL WARS』の南極シーンでいきなり佐藤勝版メカゴジラのテーマが流れてきてびっくりしたのも今は昔。

*10:とはいえ、それ以前からやってる伊福部昭氏も当時は平成ゴジラシリーズの音楽を手がけてらっしゃいましたが。

*11:などと書いていたのですが、残念ながら1999年に永眠されました。執筆から20年以上も経つと、その間に物故されてる方が非常に多くて残念な限りです。