アニメ音楽年代記

サントラ盤を中心としたアニメ音楽の昔話

プロローグ

(これはオリジナルの会議室に掲載した序文を、現状に合わせて改訂しました)

 アニメ音楽に目覚めたのは「宇宙戦艦ヤマト」の音楽に触れた時からでした。それまでのアニメ作品では、主題歌や挿入歌を覚え、口ずさむことはあっても劇中のBGMにまで関心を抱くことは無かったのですが、ヤマトは主題歌も魅力的ながら、その華麗なBGMにまでも魅せられてしまいました。
 生まれて始めて自分が買ったレコードはヤマトでした。そしてヤマトブームと前後してヤマトのアルバムが多く出るようになると、中学生当時の小遣い程度ではままならず、その度に親にねだって買ってもらったことが、つい昨日のように思い出されます。
 高校、大学と、自由になる小遣いが増えても、その用途のほとんどはアニメのレコードでした。ヤマトは、そして松本零士作品は消えたけど、その代わりにもっと広くいろいろな作品の音楽に触れられるようになりました。

 一時期、アニメの音楽よりもゴジラ等の伊福部音楽のほうに主点が移ったこともあります。音楽に魅力のある作品を感じられなくなったこともあります。最初は劇伴中心だったのに、いつしか主題歌の収集にまで広がったりもしました。
 アナログ盤からCDへの移り変わり。旧盤そのままにCD化されるもの、独自に再構成されてCD化されるもの、そして望めども一向にCD化されないもの・・・。アニメ音楽そのものでないにも関わらず、いやがおうにも様々な影響を与えてくれました。

 宮川泰羽田健太郎久石譲川井憲次田中公平鷺巣詩郎・・・時代によって中心に聴いて来た作曲家の顔ぶれも変わって来ました。そして、音楽の演奏形態もオーケストラ曲から、シンセ中心の音楽までいろいろと変わって来ました。

 LPが150枚を越えてから切り替えたCDも、すでに500枚(1994年当時)を越えてしまっています。その中には声優さんのアルバムや、アニメソングを含んだ一般歌手のアルバム、特撮の音楽、そしてその周辺のクラシック音楽をも含んでいますが、依然アニメのアルバムが多数を占めていることには変わりません。
 それらのアルバム達を材料に、自分なりのアニメ音楽史を語れたらなと、以前から考えていましたが、なかなか手を付けられずに来ました。一度にまとめて発表するのは無理でも、会議室の発言として少しずつ書いていくのは楽かななどと思い、最終的には発言を合わせるとひとつの形になっていることを祈って、ここに書きはじめることにしました。

 とりあえず、ヤマトから順に年代順に追っていきたいと思います。主要と思われる作品については独立して項目をあげていくつもりです。当然のことながら、取り上げる作品はアルバムを所有している作品に限られますので、独断と偏見の誹りを受けることは免れませんが、仕方がないでしょう。客観的には重要な作品でも無視することが多々ありますが、ご了承ください。

   (中略)

 なお、作者はアニメ業界やレコード業界とは何の関りも無いアニメ音楽の1愛好家に過ぎませんので、専門的な内容や裏話的なものなどは当然のこと書けません。記載内容に誤りがある場合もあるかも知れませんし、資料的な価値を期待されても困ります。
 あくまで、素人ならではの発想と切り口で書いていきたいと考えています。

              ヤマト誕生20周年の秋に(※当時)   結城あすか